「百人一首」から「金魚すくい」へ マンガ『すくってごらん』を契機に奈良県大和郡山市が“金魚”で盛り上がる?

1406_sukutte.jpg『ちはやふる』『すくってごらん』が連載されているBE・LOVE(講談社)公式HPより。

 6月7日より福井県あわら市にて「ちはやふるweek in あわら」が始まった。アニメ化などで人気のマンガ『ちはやふる』の登場人物・綿谷新の出身地であることにちなんだイベントだ。あわら温泉湯のまち広場をメイン会場に、22日まで『ちはやふる』で盛り上がる2週間となっている。

『ちはやふる』は百人一首をテーマに、講談社のマンガ雑誌「BE・LOVE」で末次由紀さんが連載中である。一方、その「BE・LOVE」にて5月から大谷紀子さんによる『すくってごらん』の連載が始まった。『すくってごらん』は奈良県の大和郡山市を舞台に、金魚すくいを題材としたマンガである。

 同県大和郡山市は、東京都江戸川区、埼玉県加須市、愛知県弥富市、熊本県玉名郡長洲町などに並ぶ、金魚の産地として知られている。そして大和郡山市では、なんと言っても8月に「全国金魚すくい選手権大会」が開催されている。特に今年は第20回記念ということもあり、2日間にわたって実施されるという。前回19回の参加者は1676人であったが、今回は予選がないとあって、参加者がさらに増加しそうだ。

 このほかにも最近は、2010年から開始された展覧会「アートアクアリウム展」や、2011年と12年に発表されたアート作品「テレ金」など、金魚を題材としたコンテンツに注目が集まっている。アートアクアリウム展はこれまで東京での開催以外に、札幌・名古屋・京都・大阪・神戸などを巡回してきた。各地での開催でも会期中の来場者数は10万人超と盛況で、今年は初開催した福岡でも同じく10万人超となった。次回7月11日からの東京開催でも、涼を求める来場者が多く訪れそうだ。

 一方の「テレ金」は、電話ボックスを水槽に改造して、水を張った中に金魚を群泳させるアート作品だ。アートアクアリウム展とはアプローチが異なり、大量生産消費社会への皮肉や提言がコンセプトとなっている。こちらは京都の大学生が企画し、大阪などで展示されていたものだが、それとは別に、昨年は福島県伊達市の梁川美術館で現代美術家による展示もあった。

「テレ金」は、12年に大和郡山市でも展示が行われており、今は市内のカフェ「K coffee」で常設として店頭で見ることができる。アートとしての主張は削がれているものの、現地に赴くことがあれば「K coffee」にも立ち寄ってみるのも一興だ。

 大和郡山市の上田清市長は6月5日の定例会見にて『すくってごらん』にも言及していた。経緯として3月に講談社からマンガの資料に関する依頼があったことなどを踏まえたものだが、“金魚コンテンツ”が盛り上がりをみせる中、今後同市においてどのような展開を見せるのか、マンガ共々楽しみにしておきたい。
(文/真狩祐志)

■『すくってごらん』
http://belove.webn.jp/?p=3874
■大和郡山市
http://www.city.yamatokoriyama.nara.jp/

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