“あのキャラ”を合体させる遊びがSNSで流行!汎用性の高さを見せつける現代のガンプラ

 具体的な要因の1つは“入手性の高さ”。たとえSNSで「こんな改造してみた!」というネタに刺激を受け、自分もネタを投稿してみようと思っても、素体のプラモが手に入らなければ実現できない。その点、ガンプラなら近くの玩具店やネットなどで安定して入手できる。

 2つめの要因は“クオリティの高さ”。30年以上の歴史を誇るガンプラはプラモとしての品質がきわめて高く、原作ディテールの再現性も相当なレベルに達している。さほど高価でもないキットで多彩なポージングを表現できるのは、改造ネタをやるにはうってつけだ。

 そして何より“知名度の高さ”がガンプラ最大の利点。組み合わせるアニメ作品がマイナーなものであっても、「○○とガンプラを合体させてみた」と書くだけで、誰もが大まかな全体図をイメージすることができる。食べ物に詳しくない人が「ロコモコ丼」と言われた時、料理名はわからないが“とりあえずライスの上に何かが載っているのだろう”と想像できるのに似ている。丼メニューで言うところの土台部分、“ライス”=“ガンプラ”ということだ。

 上記の要因に加え、近年はガンダムのオフィシャル側が“ガンプラの改造”を熱心にプッシュしていることとの関連性も無視できない。ただ組み立てるだけでなく改造しようという楽しみ方は、それこそ1980年代前半の第1次ガンプラブームから存在していた。講談社のコミックボンボンでホビーバトルマンガ『プラモ狂四郎』が人気を博したのもこの時期だ。

 残念ながら『プラモ狂四郎』は後継作品に恵まれず、ガンプラ改造が大ブームになるとまではいかなかったが、流れが変わったのは2010年。ガンプラ30周年を記念して公式のオリジナルアニメ『模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG』が制作された。“ガンプラを改造してシミュレーションバトルで勝敗を競う”コンセプトは『プラモ狂四郎』を受け継ぐもので、純粋な作品クオリティの高さはもちろん、極めて珍しい“作中で人が死なないガンダムアニメ”としても人気を得た。

 2013年にはガンプラの改造・バトルを題材にした『ガンダムビルドファイターズ』が、ついにTVアニメとして登場。“ガンプラはこんなに楽しい!”というテーマを全25話で表現しきった同作品はこれまた好調な成績をおさめ、現時点で第2期の制作も発表されている。ファーストガンダム世代がすでに家庭を持っている年代になっていることから、おそらくバンダイ側は今後も“親子で楽しめるガンプラづくり”を前面に強くプッシュしていくことだろう。

 こうして見てみると、入手性や知名度、公式サイドがガンプラ改造を推奨する動き、なにより改造したネタを全世界に公開してダイレクトに反応を知れるSNSの普及など、多くの要因が絡み合って“改造素体としてのガンプラ”を後押ししているように思われる。ガンダムシリーズ開始から35周年を迎えた今年、ますます“○○とガンプラを合体させてみた”の楽しいネタ投稿が増えていくことに期待したい。
(文/浜田六郎)

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