ゴールデンウィークは中・長編ライトノベルを読もう！ 極私的GWに読みたいラノベ3選

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■『烙印の紋章』全12巻
【GW返上読みふけり度】★★★★☆
【GWリア充度】★★☆☆☆

　2つ目のおすすめ作品は、杉原智則の『烙印の紋章』。メディアミックスはされていないものの、その筆力の高さに筆者は夢中になりました。主人公は、死んだ皇子の影武者として生き続ける剣闘士・オルバ（16歳）。ヒロインは敵国の第三王女ビリーナ（14歳）で、両国の和平のため政略結婚することとなった2人の運命が描かれていきます。

　本作の面白さは、なんといっても間延びするエピソードがないところ。また、ストーリーが次々と発展していくものの、がちゃがちゃした感がなく、スッキリまとまっています。ラノベというよりエンタメ小説といったほうがしっくりくるかもしれません。とはいえ、斜に構えた主人公とツンデレヒロインには萌えもしっかり味わえるはず。

　剣や竜が登場するラノベ王道のファンタジー設定でありながら、世知辛い世の中を風刺する現実的な描写には既視感を覚えます。作者いわく「読んでて元気が出るような話にしよう」と決めて書き始めたという本作は、冒頭より飛空艇からの描写が描かれるなど爽やかな表現が多く、初夏のこの季節にもぴったり。どんな苦悩に見舞われても力強く生きていく主人公たちの姿も魅力的です。また、世界すべてを欺きながら稀代の英雄にまで上り詰める主人公の生き様には、なんともいえない爽快感を覚えるでしょう。

　次の展開を期待させる巧みな文章にも、ついついページをめくる手が止まらなくなる良作です。ぜひGW中に全巻読破をめざして、読みふけってください！

【切りのいい巻はここ！】
　それぞれ4巻ずつに区切られた3部作。各章でエピソードもがらりと様相を変えるので、区切りをつけやすいのが特徴です。

＜4巻＞　第1部の完結巻。

＜8巻＞　第2部の完結巻。

 
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