群雄割拠のソシャゲに大手メーカーも参入! 大混戦の最新ゲーム業界図

■ゲーム業界にも「バザール方式」の波

 このように、今や主流のネイティブアプリは、ゲーム業界に大きな可能性を与えてくれている。iOSやAndroidといったアプリマーケットの存在は、個人やそれに近い小所帯の開発主体が、大手メーカーと肩を並べてゲームをリリースし、勝負できる環境を用意してくれたからだ。

 ひとつ面白い事例がある。『ファイナルファンタジータクティクス』などで知られるゲームクリエイターの松野泰己氏が、『Unsung Story: Tale of the Guardians』というRPGを製作中なのだが、なんとパブリッシャー会社を通さず、クラウドファンディングであるKickstarterで、開発資金を直接募っているのだ。資金は2月時点で6000万円以上集まっており、iOSとAndroid版の製品化は確定。今後は資金の集まり具合によって、コンシューマ機にも移植される予定だ。

 このように、ゲーム業界は今、「バザール方式」(プログラマーのエリック・レイモンドが97年に『伽藍とバザール』で提唱した、オープンソースOSであるLinuxの開発を例にとった概念)を地で行ける環境が整いつつある。すなわち、所属会社の制約やハードメーカーとの契約に縛られることなく、個人単位でもプロジェクトを興すことができる。オープンな資金調達方法で、プロジェクトの参加者を広く募ることができる。プレイヤーの反応や意見を集合知の形でリアルタイムにフィードバックし、プロダクトの完成度を恒常的に上げ続けられる――。

「実際に、最近はフリーのゲームプランナーや開発者も多くいて、大手・ソシャゲ中心を問わず、さまざまな分野でかかわりを持っています。業界内では転職するならフリーになりたい、という人が確実に増加している。大手で開発をしていたらソシャゲのシステムを作るのは造作もないことだと思いますしね」(大手メーカー開発担当)

 既にゲームは、ファミコン時代の理不尽な(しかし愛すべき)クソゲーとは違い、開発者の思い込みやこだわりをプレイヤーに押し付けるものではなくなった。金を出すプレイヤーが望む内容、快適と感じるインターフェースを、プレイヤーの声を聞きながら形にしていくのが今のゲームなのだ。これを作品性の欠如、マーケティング至上主義と忌避するなかれ。宮廷音楽家だったモーツァルトもワーグナーも、貴族というスポンサーの求めに応じて作曲し、後世に残る名曲を残したではないか。2014年、100年後にも残るゲームの誕生を切に期待したい。
(文/稲田豊史)

「サイゾーpremium」(月刊サイゾー2014年4月号)より

――第2夜では『人気はやはり”手厚い”任天堂? 「このゲーム会社で働きたい!」』、第3夜では『ロリ認定の基準は“5頭身”!? エロゲー業界の自主規制団体「ソフ倫」「メディ倫」の基礎知識』を紹介予定です。

 このほか、当特集では『うら若き現役女子小中高生たちが語るアイドルのゲーム事情』や『ソシャゲ業界匿名座談会』、『過激すぎて日本語に移植できないタブーなき「洋ゲー」のアブない世界』などなど…“過激なゲームの裏話”に迫っています。

 興味のある方は、「月刊サイゾー」2014年4月号、もしくはウェブ版「サイゾーpremium」(月額課金制)をご参照ください!

サイゾー 2014年 04月号 [雑誌]

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「過激なゲームの裏話」がたくさん。

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