群雄割拠のソシャゲに大手メーカーも参入! 大混戦の最新ゲーム業界図

■ソーシャルゲームの波で塗り変わる業界地図

 ここまではコンシューマ(家庭用)ゲーム、つまり専用ハードと専用ソフトで構成される市場の話。しかし現在のゲーム業界には、それと双璧をなす大きな市場が出来上がっている。PCのブラウザやスマホで動作して、専用ハードを必要としない、オンラインプラットフォームの市場である。そしてこの中でも、ネットワーク接続を前提とし、プレイヤーがアカウントを取得したSNSベースのゲームポータル上で展開されるゲームを「ソーシャルゲーム(ソシャゲ)」と呼び、目下ゲーム業界の一大潮流となっているのだ。

 多くのソシャゲは基本的には無料でプレイでき、ゲームを有利に進められるアイテムや、新しい展開のストーリーを購入(=課金)することで収支を成立させている。何万円もする専用ハードを購入しなくてもよい手軽さも手伝って、オンラインプラットフォーム市場は、12年に家庭用ゲーム機市場を金額ベースで初めて上回った(オンライン:約4943億円、家庭用:約4833億円)。

 ここで今一度、ゲーム市場に登場するさまざまな会社の位置付けを整理しておこう。

 よく「ソシャゲの会社」として名が報じられるGREEやモバゲー(運営はDeNA)、ミクシィ、DMM.comなどは「プラットフォーム」と呼ばれるソシャゲのポータルサイトである。これは言わばゲーム置き場で、ここに携帯電話やPCでアクセスすると、さまざまなゲームがプレイできるという寸法だ。

 例えば、『怪盗ロワイヤル』はモバゲーとミクシィで、『サンシャイン牧場』はミクシィだけで、『探検ドリランド』や『ドラゴンコレクション』はGREEで、『艦隊これくしょん~艦これ~』はDMM.comで配信されており、ほかのプラットフォームではプレイできない。プラットフォームの概念をコンシューマに置き換えるなら、任天堂やSCEといったハードメーカーと同じである。各社は競合関係にあるので、「任天堂のマリオはSCEのPSでプレイできない」という構図に似ている。

 そして、プラットフォームにゲームを供給するのがサードパーティと呼ばれるゲームメーカーである。コンシューマで有力なサードパーティとしては、スクウェア・エニックス、コナミ、バンダイナムコゲームス、セガサミー、カプコン、コーエーテクモなど。また、これらに加え、ここ数年オンラインやソシャゲ業界に名を轟かせているのが、新進のIT系サードパーティだ。主だったところでは、『パズル&ドラゴンズ』のガンホー・オンライン・エンターテイメント、『メイプルストーリー』のネクソン、『魔法使いと黒猫のウィズ』のコロプラ、『ラブライブ!』のKLab、『神撃のバハムート』のサイゲームス(サイバーエージェント)、『アヴァロンの騎士』のクルーズ、『艦これ』の角川ゲームスなど。いずれも、売り上げ規模はコンシューマの老舗メーカーと肩を並べる。

 ちなみに、「ゲームの開発はするが、パブリッシャー(権利を所有するソフトの発売元)にはならない」会社もある。昨年『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』(バンダイナムコゲームス発売)を開発したサイバーコネクトツーや、『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズ(スクウェア・エニックス発売)のトーセ、『ベヨネッタ』(セガ)のプラチナゲームズなどがそれにあたる。

サイゾー 2014年 04月号 [雑誌]

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