アニメ『ピンポン』やアカデミー賞のノミネート作でも使用! “Flashアニメ”の境界線

 4月4日より映画『鷹の爪7(ナナ)~女王陛下のジョブーブ~』が1週間限定で公開された。この作品は3月20日から23日まで開催された東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)2014でプレミア上映されたが、今回の一般上映でも同じく無料公開、そして現在ではネットで全編を無料公開して話題になっている(外部参照)。

『秘密結社 鷹の爪』シリーズは、しばしば作中のセリフでも触れられるように、制作の主ソフトが「Flash」であることが喧伝されている。一方、TAAF2014に挙がった作品の中には、同じく制作の主ソフトがFlashの映画があった。長編コンペティション部門にノミネートされ、優秀賞を受賞したフランスの『アーネストとセレスティーヌ』である。

 この『アーネストとセレスティーヌ』は、今年のアカデミー賞の長編アニメーション部門にもノミネートされていた。国内での露出は非常に限られていたが、これまでフランス映画祭2012など、以前から上映の機会があった作品である。今となってはFlashを使っているかどうかについては特に注目されることはなくなっているが、このようにTAAF2014にてFlashを使用したことを喧伝している作品とそうでない作品が揃い踏みしていたことが興味深い。

 最近では意図する・しないに関わらず、作品に使用されている技術が何なのか、作品を見ただけでは判断できず、メイキング映像を見てみないことにはわからないものが普通になっている。現在放送中のアニメ『ピンポン』でもFlashが使われていることがクレジットからわかる。以前『“Flashアニメ”が引き起こした混乱 新珍語“HTML5アニメ”はどうなる?』(参照)では、“Flashアニメ”という言葉が引き起こした混乱について言及したが、本稿では先日とは異なる切り口から、00年代を騒がせたFlashをめぐる問題・言葉の混乱について触れてみたい。

 10年前の04年、『秘密結社 鷹の爪』シリーズなどのFROGMAN監督は、Flashを使って自主制作した『菅井君と家族石』がネットで人気を博していた。翌05年に大阪で開催された自主制作イベント「JAWACON 2005」に参加したところ、来場していた映像コンテンツ制作会社・DLEからの誘いを受け、06年にメジャーデビューすることになる。従ってFROGMAN監督がFlashを喧伝するのは、自身の人生がFlashによって劇的に変化したためでもあるので無理からぬ話と言える。

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