マンガライター・小林聖が行く! ウェブ×マンガの現場 第2回

有料マンガ雑誌「Dモーニング」の実情を編集長らが激白!「人件費を抜けば回収できてます(笑)」

■“雑誌”として“毎週面白い”を提供する。「Dモーニング」にアクティブユーザーが多いワケ

――トータルコスト的にいうと、紙に比べてどうなんでしょう? 先ほども言ったように、現段階で電子書籍は「紙と比べて、そんなに安くなるわけじゃない」とされています。しかし、これから本格的に市場が広がっていって、売れるようになってくれば、やっぱり物流や印刷分のコストがなくなるのは大きいんじゃないかと思うんですが。

吉村 リアルな物流と比較すればそうですが、その代わりに電子の物流が存在します。例えば、アプリを出した瞬間、プラットフォーム側に(売り上げの)30%を持っていかれるわけなんです。リアルな世界では、30%も取るところはどこもないですよ。それが存在するだけで、ものすごい物流コストだと僕らは思っています。制作費なんかもありますが、一番大きいのはそこの部分ですね。どんなにこなれても、プラットフォーム側の持っていく分は変わらないので。

島田 そこが決定的な違いだよね。紙はある部数を超えた途端にものすごく利益率が上がるけど、電子はそうならない。

吉村 なので、アプリをやっていても電子書籍で配信していても、みんな「(値段が)高いじゃないか」って言うわけですけど、「いや、待ってくれ」と(笑)。当然われわれとしてもコスト削減というのは延々としているわけですが、なかなか……。

――「Dモーニング」をやってみて、編集部の中で、制作にあたって変化したことはありますか?

島田 変わらないんですよ。変わらないことを再認識したというか……。「Dモーニング」って、紙の「モーニング」に比べると、まだ圧倒的に読者数が少ない。そうするとさ、日々購読者数の変化がデータで上がってくるんだけど、その挙動が激しいんだよ。紙の雑誌も当然毎週1~2%くらい上下するんだけど、紙だと数十万単位での1~2%だからそんなに巨大な変動に感じない。だけど、「Dモーニング」は“船”が小さいから、毎日大波に翻弄される感じ。

――え、そんなに変動があるんですか!

鬼灯の冷徹(1) (モーニングKC)

鬼灯の冷徹(1) (モーニングKC)

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