マンガライター・小林聖が行く! ウェブ×マンガの現場 第2回

有料マンガ雑誌「Dモーニング」の実情を編集長らが激白!「人件費を抜けば回収できてます(笑)」

――ほかのインタビューでは、立ち上げの際に『「これならユーザーさんが買ってくれるだろう」というラインで値付けをした』という話をされていたと思うんですが、月額500円で実際儲かるんでしょうか? ウェブとかアプリは「印刷しないからコストが下がるでしょ」と言われるけれど、実際に携わる人にインタビューをすると、「案外そうでもない」って皆さんおっしゃいます。

吉村 ランニングコストはクリアはできていて。初期のところも、なんとかこうにか……人件費を抜けば。

一同(笑)

吉村 ぶっちゃけすぎた気がしますが(笑)。

デジタルビジネス局デジタル第一営業部・大竹弘樹(以下、大竹) 基本、人件費だろって気はしますけどね(笑)。

吉村 ただ、むしろこの値付けでなければ、第一段階クリアすらできていなかったと思うんです。

――確かに、月額1000円といわれたら、ちょっと考えちゃいます。紙の「モーニング」を毎号買えば、それくらいになるのですが……。

島田 最初から成立しないですよね。だから、値段ってほんと難しい。“500円”って値段のどこに根拠があるんだ? って言われたら困る。ないよ(笑)。

一同(笑)

島田 ここがギリギリいっぱいだろって値段をつけただけで。あとはこの値付けで、ちゃんとリクープできるだけ売るしかない。“月額500円”っていうのも、13年5月の時点だからこうなったわけで、それより前でも後でも違っていたかもしれない。

吉村 ほかのインタビューでも答えていると思いますが、「Dモーニング」は雑誌やマンガじゃないサービスが敵なんです。20万以上ユーザーを獲得しているサービスを洗っていくと、「Hulu」みたいにある程度の金額のものもありますが、基本的にはだいたいマックスで“月額500円”なんですよ。「Hulu」くらい広告をテレビ出稿しないと、その値段を超えないと思うと……。敵が500円でやっているのに、我々が急に出てきて「1000円でござい」と言って、どれくらい相手にされるかって話ですよね。

鬼灯の冷徹(1) (モーニングKC)

鬼灯の冷徹(1) (モーニングKC)

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