マンガライター・小林聖が行く! ウェブ×マンガの現場 第2回

有料マンガ雑誌「Dモーニング」の実情を編集長らが激白!「人件費を抜けば回収できてます(笑)」

■「人件費を抜けばリクープできてます(笑)」赤裸々に明かされる「Dモーニング」の現状

――2013年の5月に「Dモーニング」がスタートして、半年ほどたちましたが、ユーザー層や読者数、読者からの反応はいかがですか?

島田 ユーザー層は「モーニング」とやっぱり近い。30~40代の男性が圧倒的に多い感じですね。昔「モーニング」を買ってたという人も半分くらいいますし、かつての読者が戻ってきているっていうのが、今のところ大きいですね。まったく「モーニング」という雑誌を読んだことがなかった人たちも、数%はいますが。最初はかつての読者が戻ってきてユーザーの過半数を構成するというのは、リリース前からある程度予想していた通りで、あとはここから新規読者のパーセンテージをどれだけ増やしていけるか、ということですよね。

 ただ、やっぱり紙の雑誌を買うというスタイルが「きつい」と思っている人たちは、ある一定量いるんですよね。エコでないとか、いちいち捨てなきゃいけないとか、理由はさまざまですが。

 東京にいると「モーニング」はどこでも手に入りますけど、ちょっと地方に行っちゃうと「週刊少年ジャンプ」(集英社)や「週刊少年マガジン」(講談社)くらいの巨大な部数にならないと、若干手に入りづらいんですよ。コンビニだって大都市みたいにあるわけでもないですし。そういうストレスで、ちょっとずつ、いわゆる“単行本派”になっていってしまう。そういった方たちが、何年かぶりに「この形だったら、また読みたいな」って戻ってきてくださるのは大事です。まずはその人たちをきちんとつかもう、と。そのあと徐々に、「雑誌を買ったことがない」っていう若い読者たちが入ってくればいいな、と思っています。

――じゃあ、紙の「モーニング」を買っている人はそのまま継続して紙の雑誌を読んでいて、「Dモーニング」は“戻ってきている”人が大半。それぞれ別の層に当たっている感じなんですね。

島田 ただ、紙の「モーニング」を毎週買っていて、しかも「Dモーニング」も読んでいるっていうすごい人も、2割近くいるんですよ(笑)。

――そんなにいるんですか! ちなみに今の段階で全体のユーザー数と、その中で有料購読している人はどれぐらいいるんでしょうか?

デジタルビジネス局デジタル第一営業部/第二営業部部長・吉村浩(以下、吉村) リクープ(費用回収)できるくらいはいます。「Dモーニング」はけっこうお金がかかっているので、そういった意味で本当の目標まではまだ遠いです。厳密に考えると原稿料や編集費は紙の本誌についているので、それも含めるとさらに遠いです。けど、とりあえず一段階目はクリアできたかなと思います。

島田 「Dモーニング」を始めるときに、会社側から「1年でこれをクリアできなかったら、企画そのものを考え直してくれ」っていう絶対目標を出されたんですね。そのラインには、半年待たずして達しました。

鬼灯の冷徹(1) (モーニングKC)

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