徹底検証!PCエロゲー版とアニメ版はどこが違う?『WHITE ALBUM2』第9話

『WHITE ALBUM 2』春希のリア充っぷりなんてマジどうでもいい…もっとかずさの鬱展開を見せてくれ!

 放映中のTVアニメ『WHITE ALBUM 2』が18禁美少女ゲーム版とアニメ版ではどこがどう違うのか!? 徹底検証の第9話!(これまでの記事

※ここから先はアニメもゲームもネタバレになります。各自の責任のもとお読みください。またこの記事における原作は『WHITE ALBUM2 – introductory chapter-』を指します。

 北原春希(以降、春希)が冬馬かずさ(以降、冬馬)の家に差し入れを持っていくシーンで始まったアニメ版第9話だが、春希と小木曽雪菜(以降、雪菜)のイチャイチャっぷりを見せつけられたことを除いては、全体的に起伏の少ない回だった。今回は冬馬と共に、春希の心理描写も大きく削られていた。

 アニメ版冒頭で春希が「三学期になり冬馬は学校に来なくなった」と説明だけ入り、すぐにファミレス「GOODIES」での会話シーンになる。しかし、原作では三学期の始めは冬馬も登校している。なら2人の仲は三学期も文化祭前までのように良いのかと言うと、そうではない。春希は雪菜との関係を意識してか、うまく冬馬と絡むことができず、教室で声をかけられない。音楽室で練習している冬馬に差し入れを持っていこうとする雪菜を制止したりする。

 春希と雪菜がファミレス「GOODIES」で手を取り合いながらのなんとも腹立たしい会話シーンでも(原作では場所の明記はされない)、原作にあった春希の心理描写が削られていた。

 原作では雪菜が「かずさ、いまは毎日個人レッスン受けているんだって。某音大の有名な先生でマンツーマンとか……。男の人だって」と冬馬から電話で聞いた情報を春希に伝える。春希はそれに対して、「あまり厳しすぎない人だったらいいな。たまには冬馬を俺たちと遊ばせてくれるような」と返す。雪菜としては冬馬が男の先生と二人きりでレッスンを受けている事実を教えることで、春希が嫉妬するか反応をうかがったのだが、春希は全く気にする素振りを見せなかった。しかし、実は春希はこういった質問がいつか来ることを想定し、本音が悟られないよう前々から答えを用意していたという、なんともズル賢い真似を披露する。

 ちなみにアニメ版で描かれたファミレス「GOODIES」だが、『WHITE ALBUM2 –closing chapter-』をプレイしたことがある人にはニヤリとさせられる。ここは劇中、何度も登場する重要な場所なのだ。これは第二期への伏線か!?と思わず勘ぐりたくなる。

●原作ではヘタレなくせに、アニメ版ではリア充な春希

 GOODIESとのやり取りの後、アニメ版では雪菜の家の前で濃厚なキスシーンを経てコンクール本番へと突入してく。だが、原作ではコンクール本番までにもう1シーン差し込まれている。ここが春希と冬馬の本音を見れる重要なシーンなのだ。

 原作では冬馬が三学期途中から学校に来なくなる。理由は「コンクールに向け1日16時間も練習しなければならなくなった」からだ。春希はこの理由を雪菜から知ることになる。春希はこれに対し、自分から冬馬に絡めなかったこともあり、冬馬が空気を読んでうまく自分を避けてくれた、と解釈する。

 そうは言っても春希は冬馬が心配で、ダメだと思いつつも家に行ってしまう。まったくもってヘタレな男だ。『君が望む永遠』の“鳴海孝之”再来と言ってもいい。このときの心理を春希自ら、「この女々しさというか、意志薄弱さというか、言行不一致というか……もはやストーカーの域だな」と評する。

 だが家を訪れても冬馬は顔を無反応。ヘタレ春希曰く、「ピアノの音色を聴くだけでよかった。窓に人影を見つけるだけでよかった」のだが、仕方なく家に帰る。家に帰ると帰宅時間を見越していたかのように、メールを受信する。そこには冬馬から「このストーカー」と皮肉混じりのメッセージが書かれてある。冬馬は春希が家に来ていたことを分かっていたのだ。春希はすぐに「(コンクール)頑張れ」と送る。すると、「優勝する。お前の手の届かない存在になってやる」と返信がくる。ヘタレな春希に対して、けなげな冬馬の一面が垣間見れるシーンだ。このやり取りがあってから、原作ではコンクール本番へと突入する。

 コンクール当日からの流れはアニメ版も原作もほぼ同じだったが、アニメ版ではコンクール会場で春希が雪菜に肩を組んだり、手を握り合ったりと、リア充を見せつける点が異なった。原作でも冬馬の演奏が始まる前に春希と雪菜は手を取り合うが、それは恋人同士だからというよりも、冬馬の演奏が始まるという緊張感を手を取ることで緩和させるために近い。また、アニメ版では冬馬は客席で仲睦まじく見守る2人を見つけるが、原作ではそんな描写はなく、冬馬は演奏に集中する。

 コンクール終了後、久しぶりにカフェで3人での会話となる。コンクール結果についての残念会みたいなものなのだが、これはアニメ版も原作も特に大きな差異はない。しかし、その後の展開が大きく異なる。

 アニメ版ではカフェでのシーンの後、雪菜が外で自宅に電話し、その電話が終わるのを冬馬と春希が待っている。このとき、冬馬は春希の顔をじっと見つめ、心の中で春希に別れを告げるような独白をし、1人でタクシーで帰宅してしまう。

 原作ではどういう展開だったかというと、カフェを出た後、駅まで3人で移動する。すっかり夜になってしまったので、冬馬は春希に雪菜のことを送っていけと言う。別れ際、雪菜は冬馬に「明日から、また学校来るよね?」と訊く。それに対して冬馬は「そうだな……これで堂々と休める理由もなくなったし」と答える。コンクールが終わってしまった以上、冬馬には学校を休む理由がなくなった。冬馬はぼそりと春希に「先月みたいに無視しないでくれよな。あたしだって結構辛かったんだぞ」と告げる。再び登校し始めるのかと思いきや、冬馬は2人と別れた後、母・曜子と電話し、ウィーン行きを決意することになる。

●アニメ版でブラチラを披露するも、原作ではやる気満々だった雪菜

 Bパートになると、状況が多少異なることはあっても流れはほぼ原作通りだった。ただ、誕生日パーティーに冬馬を誘っている雪菜の心構えが異なった。

 原作での雪菜は冬馬がパーティーに来ないと想定している。パーティーのために着替えをする際、「ブラのホックって、前と後ろ、どっちが外しやすいのかな?」とか、焼いたケーキが大きすぎだと思いつつも「明日も食べればいいよね。2人で……」とつぶやいたりする。冬馬を誘っておきながらも春希に服を脱がされたときのことや、次の日の朝のことを考える“小悪魔”雪菜の一面がのぞく瞬間だ。

 この誕生パーティーを起点に、原作では修羅場へと突入する。仲良く見えたはずの春希・雪菜カップルの脆さが露呈し、ヒビが入っていく。春希のヘタレが大爆発するのだ。アニメではどう再現するのだろうか。そう言えば今回『届かない恋’13』が流れた。OPの途中には、さりげなくこの後に展開される修羅場のワンカットが差し込まれている。第10話を楽しみに待ちたい。
(文=Leoneko)

『WHITE ALBUM 2』春希のリア充っぷりなんてマジどうでもいい…もっとかずさの鬱展開を見せてくれ!のページです。おたぽるは、アニメ作品レビューPCゲームゲームエロゲーの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

PICK UP ギャラリー
写真new
写真
写真
写真
写真
写真

ギャラリー一覧

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!