名古屋市「アニメ・サブカルロード」から漂う腐臭 「アニメで町おこし」「聖地巡礼」はたいして儲からない

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阿佐ヶ谷アニメストリートは2019年2月28日をもって閉館した

 またぞろ、どこのコンサルなり事業者にお金をばらまく計画なのでしょう。名古屋市が“アニメロード”なるものを計画し話題に……あまりなっていません。

 まだ議事録などが読めないので、新聞報道からの又聞きなのですが、この計画は17日の市議会で自民党の斎藤高央議員が「アニメ・サブカルロード」として、アニメキャラクターのモニュメントなどを設置する構想を提案し、河村たかし市長も「大賛成」と話したということです。

 アニメ+道路というと、JR東日本が土地の有効活用ということではじめたはいいけど、当のJR東日本が「あれはダメ」「これはダメ」と、まったくオタクの嗜好をリサーチしていなかった挙げ句に、怪しげなテナントばかりを入れて瞬く間に崩壊した阿佐ヶ谷アニメストリート。あるいは、運営会社が踏み倒しをしまくった挙げ句(その後も払ってません、念のため)に、問題が浮上したら行政は他人のフリを決め込んで、そこそこ燃えた神戸アニメストリートなどを思い出します。

 そんな惨憺たる状況にもかかわらずぶち上げられた「アニメ・サブカルロード」。その内容は道路にアニメキャラクターのモニュメントを設置するというものです。

 どうも目指しているのは「水木しげるロード」とか「サザエさん通り」みたいなものの様子。場所は、昨年開通した名古屋駅の西口から、ささしまライブに抜ける市道椿町線・笹島線。

 名古屋駅の西口といえば、俗に「名駅西口」と呼ばれ予備校と風俗スポットとして知られた地域ですが、最近はオタクショップの進出が著しいことで知られています。

 とはいえ、そこから1キロあまりの間にアニメキャラクターのモニュメントを設置したとして、それだけで人が来るかといえば、まったくそうは思いません。そんなんで美味くいくなら全国のアニメで町おこしを目論む人々は、儲かって笑いが止まらないでしょう。

 限られた成功例を除けば、聖地巡礼やらアニメで町おこしはだいたい上手くいってるとは思いません。なにせ、地域全体にカネをばらまくほど儲かるなんて不可能だからです。

 昨年ですが『たまゆら』の聖地で知られる広島県竹原市を訪れたことがあります。商店街は人の姿もないのに、駅前の観光案内所は「今でも聖地巡礼の人がたくさん来ますよ!」と意気揚々。まあ、平日だからそんなものかと思いつつ、腹も減ったので近くのラーメン屋に入ったら店主や近所の商店主と大声で会話をしてました。

「観光協会の○○くん、選挙に出るんで」
「ありゃアホじゃ」
「ウチはもう協会やめたわ、人なんか来んわ」

 報道では名古屋市は「アニメ・サブカルロード」のために、まず調査費として一千万円を計上するとしています。この一千万円が流れ込んでくる先にいる人だけは、全力でこの計画を歓迎するでしょう。

 そんなの作って人が来なかったらどうするか? まあ大丈夫です。予定地近くには大型スーパーなどもありますので、道を歩いている人を全員「アニメ・サブカルロードに来た人」として数えたら、数字上は繁盛していることになりそうです。

 こんなことする前に、スガキヤの東京再進出支援でも予算を使った方がいいんじゃないでしょうか。「アニメとかマンガを使えば儲かりますよ!」という風潮でメシを食ってる人たちの罪は深いです。

(文=昼間 たかし)

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