『スパイダーマン』映画をめぐる対立報道、ソニー側は否定も……複雑な権利関係の流れをおさらい

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映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』公式サイトより

 1962年、アメコミの大手出版社・マーベルコミックの「Amazing Fantasy」15号から誕生した『スパイダーマン』。映画化の権利を持つソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントと制作スタジオのマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の対立が報じられ、マーベルファンを震撼させている。おたぽるでは、少々複雑な『スパイダーマン』のこれまでの権利関係の流れを振り返りながら、今回の騒動についてまとめてみたい。

■映画化の権利をソニーが獲得

 経営難に陥っていたマーベルが経営安定を図って1985年に権利を売り出すも、実際には映画が制作されないまま何社もスタジオも渡り歩いたのち、2000年にソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントが、関連映画の興行収入から5%をマーベルに分配し、関連グッズの売り上げの半分を分け合う形で権利を獲得(商品化権はマーベル側が所有)。コミックファンであるサム・ライミを監督に据えた映画『スパイダーマン』(2002)が公開された。

 その後、シリーズ3部作として『スパイダーマン2』(04)『スパイダーマン3』(07)が制作され、新たに3部作の制作も発表されていたが、制作上の都合でサム・ライミ監督が降板。ソニーは新たなリブートシリーズを制作する事を発表し、新たにマーク・ウェブ監督を迎え『アメイジング・スパイダーマン』(12)、『アメイジング・スパイダーマン2』(14)の2作が制作された。

■マーベルとの提携により、スパイダーマンとマーベルヒーローの共演が可能に

 続編となる3作目が16年6月、4作目は18年5月の公開が予定されていたものの、ソニーは14年に3作目の公開を18年に延期。15年2月に、MCUと共同制作の新シリーズが発表されたことを受け、『アメイジング・スパイダーマン』は打ち切りとなった。

 同じマーベル作品でも、

・『X-MEN』や『デッドプール』→20世紀フォックス、
・『アイアンマン』『アベンジャーズ』『キャプテンアメリカ』など→マーベル・スタジオ

 というように、映画化の権利を持つ映画会社が異なるため、他のスーパーヒーローたちとの共演はかなわなかったスパイダーマンだが、MCUとの提携により、それが可能に(ソニーは映画の権利を継続して保有)。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)、『スパイダーマン:ホームカミング』(17)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(19)と、これまで5作品が世に放たれてきた。

 米報道によると、09年にディズニーの子会社となったマーベルは、今回、ソニーに対して今後のスパイダーマン映画について50対50の資本関係を求めている一方、ソニーはこれを拒否。従来通りの条件を維持したいと主張し合意には至らなかったため、マーベルは今後、MCUでスパイダーマン映画を製作することはないという。

■ソニー側は「誤解」と報道を否定

 今回の報道を受け、『スパイダーマン』映画の今後を危ぶむ声が続出しているほか、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクションについて「大人の事情でなくなってしまう可能性あるよな」といった不安の声も上がっている。また、海外では「スパイダーマンをMCUに留めて」と訴える署名運動が盛んに行われており、世界中のファンたちから悲鳴が上がっている状況だ。

 これを受けて、ソニー側は「報道のほとんどは、(これまで映画の制作に携わってきたマーベル・スタジオの社長)ケヴィン・ファイギのフランチャイズへの関与についての話し合いを誤解している」と声明を発表。ソニーとマーベルの話し合いは続いており、今後の『スパイダーマン』映画にケヴィン社長は関与せず、社長の離脱はディズニー側の判断であることが明かされている。

 なお、マーベル側の要求について、ソニー側は、ディズニーと20世紀フォックスの事業統合が背景にあるのではないかとみている。ソニーとマーベルが決裂すれば、スパイダーマンとデッドプールの夢の共演の可能性はなくなってしまうが……。

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