『フルーツバスケット』今回も原作順序改編で草摩律が登場!透の言葉が胸に来る…

 先週の『フルーツバスケット』でやっと杞紗ちゃんが出てきて本編の流れに戻ったかと思いきや、今回もまた大幅に先に進みまだ出ていない十二支を飛び越して、りっちゃんこと草摩律の登場シーンに大きくジャンプ!

<第19話>ごめんなさいーっ
 満が原稿を受け取りに来た。が、家には誰もいない様子。電話をすると紫呉はたこ焼き屋にいると言うので、満は猛スピードで去っていった。そこへ透が帰宅。玄関の前で荷物を散乱させている和服の人が目に入る。咄嗟に拾うのを手伝うと、その人は「ごめんなさいーっ!」と頭をおさえて絶叫! その仕草から透はハッとして……。

 今回のりっちゃんの登場も原作とは少し違うかたちでの出番、エピソードとなった。ちなみに原作だと8巻に収録されている。

 紫呉の担当みっちゃんとりつが出会うエピソードが、原作だと2話分のエピソードの最後にぎゅっとまとめられているのだが、今回は全編にわたって最初からみっちゃんが登場。紫呉のいたずらに打ちのめされるみっちゃんと、自己肯定感0のりっちゃん。

 原作が連載されていた時には、りっちゃんの女装とか変わった趣味程度に思っていたが、こういった人は今では珍しくもなくなってきた。それでもまだ奇怪な目で見られることも多い女装癖。

 自分が素直でいられる恰好が負い目になったりもして、りっちゃんは板挟みになっている。大人になると好きな恰好が許されない事の方が多くなってくるし、さすがに振袖は目立つかもしれない。

 コンプレックスの塊であるりっちゃんは、物の怪付きということもあり、周りに迷惑をかけている自覚をもって生きてきた。周りからのヒソヒソ話や自分と他人の違いに肩身を狭くし、さらに皆が普通にできることも、できないことが多く、さらに自信を無くす負のループを繰り返してきた。    

 最近話題に上る「自己肯定感」という言葉、これも連載時には知らなかったが、りっちゃんはこれが低い。

 そんな彼が、透にかけられた言葉で、少しだけ前向きになれる。本当に透は幅広くカバーできる言葉を持っている。十二支というキャラクターを通して様々な人間の悩みに光をくれるこの『フルーツバスケット』という作品の奥深さに、毎回のように驚かされる。

 今作が全編完全アニメ化ってうたっているのは、この物語に救われた人たち全員をのけ者にしないっていう現れでもあるだろう。そしてまだ作品に触れたことがない新しい読者たちを救うためのアニメ化。

 キャラクター達の葛藤と、それに対する透の言葉がセットで自分のことのように思えて救われるこの物語、ぜひ多くの人に見てもらいたい。もちろん物語全体が持っているストーリーも素晴らしいので、そこを楽しむだけでも良いのだが。
(文=三澤凛)

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