下町出身の青いラーメンの名店が繰り出す新しい珍ラーメンとは??

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　これは、今年新発売になったかまぼこか？　そう思い込みつつ、まずはレンゲにスープをすくってずずっとひと口。

「ん？　甘くね」

　塩ダレの鶏スープが出汁の味以上に甘い。しかも、フルーティーな甘みが……。それもそのはず、この具、なんと白桃。そう、このラーメン、具に缶詰の桃を乗せちゃった白桃ラーメンなのだ??

　しかし、桃のスープと考えるとそれほど甘味はなく、ほんのり程度。麺はツルツルしこしこの細麺で、すすり心地や歯ごたえ、喉ごしは共に一級品だ。

「ずずっ、プハーッ！」っと、息が鼻から抜ける時の香りは、やっぱりおいしい塩ラーメンなのだ。

　ひとしきり麺をすすったところで、チャーシューと同じような勢いで白桃をひと口。

「サクじゅわっ！」

　っと果汁が溢れ出る。

　不思議なことに、ラーメンと桃という違和感はそれほど感じない。それどころか逆に、甘みのあるスープより、具の白桃の方がラーメンには合っているような気さえしてくる。デザートというより、ほぼ「具」になりきっているのだ。

　にしても、なんでこんなラーメンを店主は考えたんだ？　そう思った時はたと気がついた。

「そうめんか……。そうめんにミカンが乗ってるんだから、ラーメンに桃が乗ってたって無問題ってことか」

　きっとそうだ、そうに決まってる。
　そう思いながら厨房の中にいるピンク色のヘアーの店主をチラッと見たら一瞬目が合った。

「フッ、気が付きやがったか……」

　ニヤッと笑いながらそう呟いた気がした。

　でも、その後食べた新生姜のオレンジ色のラーメンの方が、オレは好きかなw。墨田区時代にいためっちゃ可愛い女のコの店員さんも、イケメン男子に変わっていた……。

渋谷　吉法師「鶏清湯桃」900円

バエ度　　　☆☆
味　　　　　☆☆
珍級度　　　☆☆☆

（写真・文＝よしよし）

 
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