【インタビュー後編】

オタ友と解釈違い警報発生! どうすればお互い幸せなのか? カウンセラーに聞いた!

■オタクが自己肯定感を育みにくい理由は、「親」にある?

中村 「自分と違う他人の意見、趣味、嗜好をどれだけ尊重できるか」は、本人の自己肯定感や自己受容感(自分で自分を受け入れていると感じること)の高さに関係すると思います。そしてこれらを育むには、他者からの肯定や需要が必須だと思っています。

 自分自身の総合的な自己肯定や受容は、大体最初に自分の親からもらうものです。ですがオタク趣味に関しては、世代にもよりますが、親世代からは中々受容されにくかった背景がありますよね。そこがオタク趣味が「こじらせやすい」背景なのかなとも思っています。

――特に宮崎勤の事件を親子ともリアルタイムで知っている世代は、親子間で「オタク観の相違」を抱えていない人の方が少ない気がします。

 一方でオタク趣味は性的嗜好や性癖と被るところも多いにありますから、他の趣味は親に言えるがこれだけは親には知られたくないという面もあるので複雑ですね。

中村 さらに、自己肯定感や自己受容感は親からだけでなく、学校や会社、つまりは社会全体からももらうものなんです。しかし社会がオタクに寛容かというと、今はだいぶカジュアルになりましたけど、それでも学校や会社にオタクバレしないように振る舞っている人はたくさんいるはずですよね。

――「擬態」という言葉もありますね。

中村 そんな「社会から肯定されにくい(時としてオタク本人側もそれを望まない)」趣味だからこそ、オタ活では同好の士で認め合うことが大切なのかなと思います。同人イベントはものすごく楽しいですし、肯定も受容もしあえるイベントですよね。

――私も同人イベントに出ますが、自分の本を手に取り微笑んでもらえるときのあの強烈な、怖いくらいの多幸感は、ちょっとほかの人生のシーンでは浮かびようのない独特のものですよね。

【参照記事】『頒布は5冊、だけど幸せ…初心者が同人活動を始めてみると…【イベント参加編】』

中村 大げさかもしれませんが、同人イベントには大小限らず、ある種のグループワーク(※心理的なカウンセリングにおいて、問題をかかえる当事者が集まり話し合うこと)的な機能があるのではと感じています。グループワークと違い、ファシリテーター(進行役)がいるわけでないので、問題が起きる場合は起きてしまっていますが。

――前後編にわたり、オタ活において問題が起きてしまう要因や、それに対処するための考え方のコツについて伺ってきました。これらを意識すればもっとストレスない「楽しいオタ活」を送れるようになりますね。

中村 「楽しいオタ活ライフ」を送れることが一番なんですよね。状況は変わるものですから、どうも楽しいはずのオタ活が前より楽しくない、ストレスに感じる、と思ったときにお話ししてきた背景や対策が何か役に立てばうれしいです。

(文/石徹白未亜 [https://itoshiromia.com/])

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『DVはなおる 続 被害・加害当事者が語る「傷つけない支援」』(ジャパンマシニスト社・味沢道明著)

 

◆石徹白未亜の過去記事はこちら(【おたぽる】【日刊サイゾー】)から◆

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