物語探索その36

『約束のネバーランド』蛇足な展開一切なしの神プロット!面白くてページを手繰る手が止まらない!読者を魅了する孤児院の秘密とは…?

 面白くてページを手繰る手が止まらない! アニメ第一期が大人気で幕を閉じ、第二期の放送も決定した週刊少年ジャンプ(集英社)にて連載中の白井カイウ(原作)、出水ぽすか(作画)による漫画作品『約束のネバーランド』。

 原作では現在13巻まで発売され、ジャンプ内でも毎回上位に掲載される大人気漫画です。今回はアニメで放送された、原作5巻までの【GFハウス脱獄編】についてレビューします。


【あらすじ】
 母と慕う彼女は親ではない。
 共に暮らす彼らは兄弟ではない。
 ここグレイス=フィールドハウスは小さな孤児院。
 至って平穏なこのハウスでささやかながらも幸せな毎日を送る三人の主人公エマ、ノーマン、レイ。
 しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…子供達を待つ数奇な運命とは…!?


 隔離された孤児院にある秘密……。というと思い浮かぶはカズオ・イシグロ著の小説『わたしを離さないで』です。一部ではパクリ疑惑があったのですが、大まかな共通点があるだけで全くの別物です。孤児院の秘密、というのはかくも想像力を掻き立てるテーマなのでしょう。

 この孤児院に隠された秘密。それは子供たちが6歳から12歳の間に里親に出されると聞かされて育った孤児たち。しかしそれは嘘であり、孤児院事態が監獄のような「人間飼育場」でした。

 その事実を知った主人公3人(エマ・ノーマン・レイ)は脱出のための計画を立て始める……。

 この、真実が発覚→12歳以下の子供たちが知恵を絞って脱出計画を立てる→上回るママ(敵)→さらに知恵を絞る→絶対絶命→脱出! という流れが手に汗を握り、続きが気になり、ページを手繰る手が止まらなすぎる最高のテンポで進みます。

 この漫画、作者自らが「長期的に連載を続けるつもりがない」と言い切っているだけあって作品のテンポがかなりスピーディです。ダラダラとしたレベル上げもなく、掘り下げも少ない代わりにセリフの一つやコマの1つ1つに情報量がかなり詰め込まれています。

 それを読み取り、思考するのがこの作品の面白いところのひとつ。コミックスの中でも補完要素が多く読み応え・満足度が高いです。読み進めるうちに世界観に引き込まれ、自分もエマ達のようにGFの孤児となり、彼らの共犯者のように脱出計画について思考するような感覚に引き込まれてしまいます。

 女の子が主人公だと、主人公の強引な計画で周りが被害を被りピンチに陥る……というイライラ案件があったりするのだけど、この物語の主人公たちは日々の訓練のおかげもあって超優秀です。もちろん、エマにも言ったことを曲げない頑固な部分はあります。でもそれは、全て“家族全員”を無事に連れ出すことを念頭にしての言葉ばかりなのです。その優しさ、無鉄砲でバカに見えるその真っ直ぐさにノーマン、レイをはじめとする家族たち、そして読者は心からの信頼と愛情をエマに感じるのであります。

約束のネバーランド

約束のネバーランド

ジャンプっぽくないジャンプ漫画

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