ゾンビものはホラーの定番であるが、また新たなゾンビマンガが誕生した。その名も『デリバリーオブザデッド』(日本文芸社
)だ。作者は『シャッフル学園』でゴア描写満載のスプラッターをみせてくれたホリユウスケ。『●●オブザデッド』はかのジョージ・A・ロメロの系譜であるが、もちろん今作は無関係だ。
『デリバリーオブザデッド』はこれまでのゾンビマンガと異なる点がいくつかある。まず、物語が1話完結型であること、そしてヒューマンドラマであること、最後にゾンビが風俗嬢として登場することだ。ゾンビを扱っている以上、グロい表現はあるもののけっしてホラーマンガの部類とはいえない。恐怖は一切売りにしていないのだ。しいて言えばエログロマンガであろうか。
ホラー映画は、特にゾンビものはギャグとして描かれる面も持ち合わせているが、今作もその例に漏れず、全体的にギャグっぽい。そもそもゾンビが風俗嬢という科学的にも常識的にも荒唐無稽な設定を用いる以上、ギャグになってしまう側面は致し方ないだろう。
注目すべきはヒューマンドラマという点だ。各話の主人公は、誰もが人生に悩み、苦しみ、生きるための葛藤からゾンビたちを求める。生者が死者に助けを求める構図はどこか矛盾しているが、神様に祈りをささげるような感覚なのだろうか。それで結果的に救われたり、前に進むことができるのだから、どこか滑稽なのだけれどついつい感動してしまう。雰囲気の近い作品でいえば、『笑ゥせぇるすまん』だろうか。この作品はブラックな面もあるが、『デリバリーオブザデッド』の1巻は全てハッピーエンドだ。
しかし、『デリバリーオブザデッド』は謎が多い。なぜゾンビが発生したのかなど、世界観を語る描写がほとんどないのだ。ゾンビを風俗嬢として派遣する会社についても謎だらけである。その会社の怪しさをにおわせるシーンはあるものの、少しも核心には触れない。2巻以降、『笑ゥせぇるすまん』ばりのブラックなバッドエンドとなる回が出てくる可能性は大きい。
ちなみにエロ描写であるが、それなりに楽しめる。電車で読むにはハードルが高いかもしれない。読む際は周囲に注意しよう。エロが楽しめる分、万が一あなたがネクロフィリアならば、神マンガとなるかもしれない。
(文=Leoneko)
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