『ゴブリンスレイヤー』の“リョナ描写”に「青少年に悪影響を与えるのは確実」 BPOに寄せられたご意見集【2018年下半期】

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放送倫理・番組向上機構公式サイトより

 放送における言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理の問題に対応する第三者の機関・BPO(放送倫理・番組向上機構)。

 BPOは視聴者から寄せられた意見を抜粋して公式サイト上に公開しているのだが、その中にはTVアニメ、特に“深夜アニメ”に対する苦情・意見がたびたび見られる。主に、性的描写ないしは暴力・残虐描写がある作品について、「青少年にはふさわしくない」といった“ご意見”だ。

 今年はどんなアニメが「BPO案件」入りしてしまったのか。2018年7月~11月までにBPOに寄せられた、TVアニメに対するご意見を振り返っていく。

<夜のアニメ番組において残忍な殺人鬼に少女が追われるシーンについて、「残酷な殺人をするアニメで子どもに見せたくない」「中高生がこのアニメを視聴して影響を受ける」との意見が寄せられました>

 この意見は、7月に公開された青少年委員会の議事概要にて紹介されていたもの。おそらく7月から放送されていた『殺戮の天使』(TOKYO MXほか)に対するものと思われる。星屑KRNKRN(真田まこと)によるサイコホラーADVが原作の本作。第1話では、記憶をなくしたレイチェルが殺人鬼・ザックに追われるというシーン、またザックが鎌で人を殺すシーンもあった。

『ゴブリンスレイヤー』のリョナ描写に「青少年に悪影響を与えるのは確実」 BPOに寄せられたご意見集【2018年下半期】の画像2
『殺戮の天使』公式サイトより

 青少年委員会では、「これは放送時間帯的に大人を対象としたアニメ番組だと思う」「コミックをアニメーション化し放送する際には、様々課題もあるだろう」(注:『殺戮の天使』はコミカライズ化もされている)との見解を示し、この件についてはこれ以上話し合う必要ないとしている。

<日曜の朝に娘が楽しみにしている少女アニメがある。その日はアニメ番組を潰し、直前の情報番組を拡大して高校野球の内容を放送していた。アニメ番組を潰してまでやる必要はあるのだろうか。番組を楽しみにしている子どもたちの気持ちを考えてほしい。>

 この意見は、8月開催の「全国高校野球選手権大会」の開会式に寄せられたものと思われる。8月5日の開会式中継のため『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)は30分放送を延期したのだが、その影響で『HUGっと!プリキュア』がお休みになってしまった。これには、大きなお友だちからも「プリキュア休みにする必要あったの?」といった苦情がネット上に寄せられていた。

 8月は、“深夜アニメに苦情を入れる親”にド正論な意見が寄せられたことも話題に。

<深夜のアニメに苦情が入り過ぎている。深夜アニメは子どもが間違って見ないように深夜に放送しているのであって、それに対して“子どもが見たらどうするのか”という意見を述べるのはおかしい。子どもが深夜アニメの時間帯に起きているのであれば、それは子どもを寝かさない親の責任であって、番組に責任があるのではない。>

 冒頭でも紹介した通り、BPOではエログロ描写がある作品について「深夜の時間帯といえども、録画などで子どもたちが見てしまうと悪影響を及ぼすのではないかと心配だ」などといったご意見がたびたび寄せられている。しかし、深夜アニメは子供が目にしないようにと、遅い時間に放送されているもの。

「子どもを寝かせない親の責任」があるのはもちろんだが、現在は録画だけでなく、ネット配信などでも深夜アニメを視聴できる環境が整っているため、我が子に不適切だと思うアニメを見せたくないのであれば、親として“見せないための環境づくり・教育”をすべきだ。番組に責任転嫁する親を一刀両断するこの意見はネットでも称賛された。

<モンスター退治のために冒険するストーリーの深夜アニメ番組で少女がモンスターに襲われるシーンについて、女性に対する性的暴行を思わせる描写があり非常に不愉快。録画機器があれば未成年も見ることができる。青少年に悪影響を与えるのは確実だ。>

 10月に寄せられたこの意見は、10月から放送されたTVアニメ『ゴブリンスレイヤー』(TOKYO MXほか)に対するものと思われる。最下級の魔物・ゴブリンだけを退治するゴブリンスレイヤーの冒険を描いた本作。第1話では、ゴブリン退治をしようとした新人冒険者たちが虐殺され、女性については陵辱されるという衝撃的なシーンが展開された。

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『ゴブリンスレイヤー』公式サイトより

「録画機器があれば未成年も見ることができる」という部分については、先程の「親の責任であって、番組に責任があるのではない」という意見を改めて読んでほしい気分にさせられるが、本作のリョナ表現についてはアニメファンからも「流石にBPO案件」といった声が上がっていた。

 ただ、青少年委員会は『ゴブリンスレイヤー』に対して「性的暴行や残忍な行為を想像させるようなシーンは確かにあったが、直接的な表現はしていない。表現上の配慮はなされていた」「深夜の時間帯ということを考えると許容範囲だと思う」と、“リョナ描写”はあったとしながらも、委員会はその表現・規制方法について理解を示していた。「深夜の時間帯なら許容範囲」という意見は、アニメファンとしては心強い。

 ただ、『ゴブリンスレイヤー』では第11話で「女体の肉盾」というものが登場している。これはゴブリンたちが攫った人間の女性を盾にして、冒険者たちからの攻撃を防ぐというもの。これも、「深夜だから許容範囲」だといいのだが。

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