“車いすの天才物理学者”として有名なスティーヴン・ホーキング博士が今年3月に亡くなった。博士は晩年、「人類に残された時間はあと100年」と何度も警告を発していた。そして、ホーキング博士はよく「宇宙人と接触するべきではない」と警告していたことでも知られている。
ホーキング博士が言うには「地球外に知的生命が存在する可能性はかなり高く、資源や居住場所を求めて宇宙をさまよっている恐れがある。もし宇宙人が来たら、アメリカ先住民にとってのコロンブスの新大陸発見と同じような結果(大虐殺)になる」ということらしい。まるでハリウッド映画のような話ではあるが、よくよく考えれば宇宙人が友好的などうかなんて分からないし、人類の歴史を見れば、ホーキング博士が言うような事態に陥る可能性が高いことは想像に難くない。
さて、そんなホーキング博士が警告している宇宙人が、地球に紛れ込んでパニックを起こすSFホラーマンガがある。『ネメシスコール』である。
ある高校の学生が、爆発物で身体をバラバラにされれ死亡するという事件が頻発した。その事件の謎を新米刑事の辻と、元刑事でオカルト雑誌の記者・小栗がタッグを組んで追っていく中、犯人が宇宙人の仕業と分かる。
その宇宙人は姿を消す能力を持っていたのだが、辻と小栗はその姿を見破る方法と、宇宙人の武器を手に入れることに成功する。しかし、小栗に恋心を抱くスナイパーJK・ちとせが事件解明絡んだことで、事態はさらに混迷を極めていく……。
『ネメシスコール』は表紙デザインだけを見てしまうと、あまりホラー感はない。宇宙人たちのビジュアルが動物っぽかったり、コミュニケーションがコミカルに描かれたりするのも、それを助長する。
『ネメシスコール』は、死体や殺人描写は非常にグロテスクなこともあり、ホラーが物語の根底を支えているが、どちらかというと謎の解明を重きに置いたサスペンス色のほうが強い。物語の展開が非常に巧みで、宇宙人と小栗にかつて接触があったことが示唆されたり、宇宙人の仲間と見られる人間の存在がいたり、物語が進むにつれ、謎が散りばめられていく。また、この人は死なないだろうというようなキャラクターが無残にも殺されるなど、物語の緩急がしっかりとついている。
ただ寂しいことに、1巻では比較的多く見られた残虐描写が2巻になると、一気に影を薄めてしまう。謎解きが中心の物語構成となったからだ。次の3巻で最終巻となるのだが、散りばめられた謎の回収はされるのか。ホラーファンをうならせる残虐描写は出てくるのか。期待して待とう。
(文=Leoneko)
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『ネメシスコール 1』
掲載誌/レーベル:ヤングマガジン
筆者:にんじゃむ/森田和彦
出版社:講談社
『ネメシスコール』サスペンス色強めのSFホラー!ホーキング博士の予想通り宇宙人が人類を大虐殺!?のページです。おたぽるは、漫画、マンガ&ラノベ、ヤングマガジン、SF、宇宙人、サスペンス、オカルト、にんじゃむ、ホラー漫画、スティーヴン・ホーキング、ネメシスコール、森田和彦の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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