『ほしの女王様』(山崎毅宜)謎の生物が憧れの先輩に寄生……もう非処女かな?

 セーラー服少女が、宇宙生物と融合してしまう。「COMICメテオ」に連載中の山崎毅宜『ほしの女王様』第1巻(フレックスコミックス)は、謎の生命体に浸食されてしまった憧れの先輩と共に、宇宙生物と戦うことになるSFアクションである。

 物語の世界観は、正統派のSFテイスト。物語を遡ること10年前、突然日本近海に現れた巨大な建造物。それが宇宙人によって飛来したものであることは明らかだったが、日本政府は直接的な被害がないとして放置を決定していた。

 そして、建造物の存在も日常になった頃。主人公・都築鉄の通う学園に、宇宙人のものと思われる巨大な花のつぼみが出現したのである。

 それに興味を持ったのは、なぜかオカルトばかりに熱心な科学部の先輩・比嘉葵。いいように利用されているようでありながら、微妙な恋心のある鉄は、葵に同行し蕾の調査に乗り出した。止めるのも聞かずに蕾に登った葵は、動き出した、その中に取り込まれてしまう。

 無事に脱出できたと思った葵だが、その身体には変化が始まっていた。当人の記憶もないうちに、鉄の家の、鉄のベッドに全裸で忍び込んだりしてしまうのだ。

 かと思えば、妙に身体を動かしたくなったり、食欲が旺盛になったりする葵。そうした変化の過程を経て出現したのは、トカゲのような奇怪な尻尾を持つ姿へと変化した葵だったのである。

 姿を変えた葵は、人間としての意識もなくなったかのように学園の破壊を続ける。そこに現れたのは、MIBのような出で立ちの男と、美少女・チェルシー。最初っから、葵を殺す気で、妙な薬品を飲みつつ戦うチェルシーだが、葵の能力は想像を超えていた。

 そうした経緯を経て、満身創痍で捕獲された葵と、彼女を助けに来た鉄は謎の施設へと移送される。

 こうして、ようやくこの世界が何と戦っているかが明らかになる。10年前に飛来した謎の生物は「アール」と呼ばれ、それに対抗する組織「ビショップ」が結成されていたことが。「アール」は人間の身体に寄生して、宿主と同化して環境に適応していく生物だったのである。

 そして、それを撲滅せんとする「ビショップ」は、すでに寄生された人間を「アール」に対抗できる兵器として利用しているのである。

 こうして、熱いSFと青春が描かれていくのだが、どうもこの先も「アール」と戦う寄生された少女たちは増えそうな雰囲気。硬派なタッチゆえに、まったく萌えもエロもないのだけれど、青春まっただ中の少女たちが寄生されているという姿にイケナイ興奮が休まらないのも事実。いや、興奮しているのは物語が熱いからだと信じたい。

 この先も期待できる本作。いずれにしても、にくめない関係の先輩って素敵すぎるよ!
(文=ピーラー・ホラ)

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