芳文社「まんがタイムファミリー」「ジャンボ」の休刊は、売れてないからじゃない! その真相とは……

「さすがに“まんがタイム”レーベルの雑誌は飽和状態になっていましたし、昨年から再編は予定されていたようです」

 そう話すのは、マンガ業界に詳しい編集者だ。四コママンガ雑誌の雄である芳文社が、突如「まんがタイムファミリー」と「まんがタイムジャンボ」の休刊を発表し、話題になっている。「まんがタイムファミリー」は1983年に、「ジャンボ」は95年に創刊された雑誌。どちらも、芳文社が刊行する「まんがタイム」の名を冠した四コマ誌の中でも、歴史のある雑誌である。

 芳文社は「まんがタイム」とは別に萌え系四コマが主体の「まんがタイムきらら」レーベルの雑誌も多数刊行。以前は「まんがタイム」が従来のいわゆる大人向け四コマ、「まんがタイムきらら」は萌え系四コマと住み分けがあった。しかし、近年ではアニメ化もされた『レーカン!』が「まんがタイムジャンボ」の連載作だったりと、住み分けは曖昧になっていた。

 そうした中で2誌が休刊に至った背景には、昨年来の人手不足に伴う再編があるのではないかと、ウワサされている。

 昨年10月には「まんがタイムきらら」レーベルで多数のアニメ化作品も掲載されていた「まんがタイムきららミラク」が、突然休刊を発表。この理由とされたのが人手不足と、増えすぎた雑誌の統廃合である。

「四コママンガに限っていえば、芳文社はいまだに同業他社の追随を許してはいません。ただ、マンガ雑誌そのものを“なんとなく買う”という人々が減少している中で、『刊行点数を増やして儲ける』とはいかなくなっています。雑誌の統廃合は、結果的に掲載作品のレベルアップにもつながると考えているのではないでしょうか」(冒頭の編集者)

 萌え系四コマが目立つ芳文社だが、植田まさしの『おとぼけ部長代理』が掲載される「まんがタイム」や、実験作も多数掲載される青年誌「週刊漫画TIMES」なども、いまだ手堅く部数を維持している。

 今回の2誌の休刊は「雑誌が売れない」といわれる風潮とは、まったく無縁のようだ。
(文=四コマ取材班)

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