たつき監督擁するヤオヨロズが声優オーディション開催中!野望の全容を聞いてみた!!

1708_kemono02.jpg(C)けものフレンズプロジェクト/KFPA

●「より本音をぶつけ合えるチームにしたいなと」(福原)

――実写映画でもいわゆる●●組、有名監督の作品には必ず呼ばれるというスタッフさんや俳優さんがたがいますし、アニメでも監督さんによっては、ある程度スタッフさんや声優さんを固定されるかたがいます。そのように今後ヤオヨロズの新作を制作していく時に、小野さんや本宮さん、尾崎由香さんなどを配置するというだけでは物足りない?

福原 それで別にダメではないんですけど、選択肢はいくらでもあってもいいと思うんです、声やお芝居、年齢、性別の合う合わないはありますし。あと、キャリアがあるかたはそのかたのスタイルが確立されていますが、我々の現場は変わったことをしているので、そのスタイルとどうしても相性が悪い、というケースもあるんです。そういうとき、新人の方は先入観も少なくチャレンジ精神にあふれていますよね。

――キャリアの浅いかたは、目の前のことをがんばりますものね。

福原 もちろんベテランでも柔軟なかたもいるし、相性としか言い様がない部分もありますが。本当は現場で出会う前に、一度でも何かの形で会ってるとやりやすいんですよね。オーディションの場や顔合わせもありますが、人気があるかただと、事前顔合わせに参加するのもスケジュールが合わず難しいというかたもいらっしゃいますし。

――我々編集者がライターさんやカメラマンさんに仕事をお願いするとき、人となりを知っているとやりやすい、というのと一緒ですね。

福原 ああ、たしかに一緒でしょうね。加えて今のアニメは声優さんに求められている役割のウェイトが大きい。僕の立場ではその声優さんの持っている人気や集客力みたいなものも見てはいるんです、やはり表に出られる方々ですから。

 一方で、作品を作る上では声優さんは単なる1スタッフでもあるわけです。制作が進んでいくと、アニメーターさんが1人いなくなっても作品の雰囲気が変わることもありますから、そういう意味では声優さんにもチーム感を作れるという面を求めているのかもしれません。

――それこそ尾崎さんが所属するブシロードさんは、長年『ミルキィホームズ』シリーズを展開していて、『ミルキィホームズ』の4人は演技面での息の合いかたやフットワークの軽さがすごいですが、意識されていたり、目指しているという面もありますか?

福原 あの息の合いかたはいいですよね。

 ただ、一方で実際大きな会社さんだとチャンネルが違っているというか、グループ内にアニメ制作、音響制作、声優プロダクションを抱えていても、普通に別の法人として成立していて、セクショナリズム等がありうまくつながっていないケースもあるじゃないですか。

――Aという大企業の傘下に、Bというプロダクション、Cというアニメ制作会社があったとして、Bの声優さんがCの作品にばかり出ているかというと、まったくそんなことがなかったりもします。

福原 そうなんですよね。同じ企業の傘下ではあるけど、それぞれ別々の法人でつながりが薄いところも多い。もちろん同じグループの作品に出演しつづけることのプラスもマイナスもあると思いますが、ウチの場合は少人数で全部を見ていますから、つながりの良さは保てると思います。

 思いついたアイデアを、スピード感をもって実現するためには、つながり、以心伝心でもって物事を回していくことが大事ですし、そういうところでアニメのクオリティはあがっていくんですけど、それは組織をまたがることによって難しくなっていくんですよね。やはり組織同士になるとマナーやルールは守らなくていけませんから。

 でも、習慣的に「できない」と思っているだけのことも多いんです。そういったところでも踏み込んでいかないと成果を上げづらいというか、常識的に考えて普通にやっていたら、ウチは大きな会社に勝てないんですよね。

――『けものフレンズ』が大ヒットになった要因はいくつもありますが、たつき監督や福原さんを中心に少人数でフットワーク軽く動いていたというのも、要因の一つとして挙げられると思いますが、声優さんにも同じようなノリを持ち込みたい?

福原 そうですね。先ほどのたとえ話に乗っかると、仲がいいカメラマンさんだったら「ごめん、今から収録なんで撮影手伝って!」とお願いできるし、「しょうがないな、わかったよ」と言ってもらえますけど、初めましての人にそんなこと言ったら、「なんて無礼な奴だ」となりますよね。

――往って来いだと、お互いわかっているから言えるわけですものね。

福原 そうそう。ですが、その急な1時間や数十分の手間をかけるかどうかで、クオリティが変わるときがあるんです。今はどんな大手の制作会社でもクオリティ向上のため、(納期を)落としているような状態なので、ウチみたいな会社が、クオリティ向上のための工夫の一つをフットワークの軽さに求めることも、ウチなりの企業努力と思っています。

 もちろんスケジュールをしっかりこなす、きちんと段取ることが大前提ですが、絶対に面白くなる! というアイデアがひらめいたら、そっちをやりたいなと思うんですね。そのときにやっぱり、より物事を率直に言える、応えられるチームにしたほうが最終的にはクオリティはあがると思いますから。

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