大コケ『ジョジョ』とヒット中の『銀魂』、コミック原作の2本はなぜ差がついたのか?

「同じマンガとはいえ、まったく方向性が違いますから、並列に語るのもどうかと思いますが……『銀魂』の場合はまず福田監督の起用が大きかった。マンガ原作の映画『HK 変態仮面』、ドラマ『アオイホノオ』、マンガ原作ではありませんが『勇者ヨシヒコ』シリーズなどは、マンガ・アニメ好きの中にもファンが多いですし、何より作風的に原作のギャグのノリとも相性が良さそうなことが感じられました。発表初期から反発ももちろんありましたが、『福田監督なら任せられる』というムードがありましたね。

 その福田監督や、小栗をはじめとする役者陣から原作のリスペクトが感じられたことも大きかった。もちろん『ジョジョ』も原作に敬意を表していましたが、『銀魂』はアニメにもしっかり気を配っていました。

『銀魂』のアニメ版は06年にTVアニメシリーズ第1期の放送開始、通算で4シリーズを放送、劇場版も2本公開しています。『銀魂』が人気コンテンツとなったのにはアニメの影響がとても大きい。実写版『銀魂』はそのアニメ版の声優たちも公開前のイベントに動員するなど、同じ役を演じる映画の俳優陣とアニメの声優陣を絡ませ、親和性を構築していました。実に上手い手法だなと思いました」(アニメ誌ライター)

 原作者の空知は、すでに『銀魂』の最終回が近いことを発表しているが、単行本は現在69巻まで発行されているご長寿マンガ。今回の実写映画で映像化されたのはその中の「紅桜篇」という長編がベースとなっているが、ボリュームでいえば2冊ちょっと程度でしかない。原作マンガやアニメで人気となった、映像化に向いていそうな長編はまだまだ残っているだけに、今回のヒットを受けて第2弾が製作されることもあるかもしれない。

 一方、『ジョジョ』のほうもタイトルに「第一章」と銘打たれているように、三池監督や製作再度は続編の製作に色気を見せているが、それも本作の興行収入次第だろう。第二章以降が製作できるぐらいの成績を残せるのか、それとも立ち消えとなってしまうのか。今後の動向に注目してみたい。

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