【劇場アニメレビュー】「さすおに!」 安定感抜群の秀作『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』

1706_mahouka.jpg『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』公式サイトより

『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』公開2日目の夜の回を見るために都内の映画館へ赴くと、ほぼ満杯の場内は若い男性まみれ! 女性は1割いるかどうかという案配である。先週見た『KING OF PRISM-PRIDE OF the HERO-』もそうだったが、このところアニメーション映画の場内はいつも女性まみれで活気に満ちているといった印象が強く、一方で美少女ものなど男性向けの作品を見に行ってもあまり覇気が感じられないことが多々あったのだが、なかなかどうしてこの日は、上映中も含めて久々に男どもの熱いものを感じてしまった(でもこの作品、イケメンが主人公だし、女性ファンに支えられているものと思いこんでいたのだが……。たまたまこの回がそうだっただけなのかな?)。

 さて、『魔法科高校の劣等生』(電撃文庫)の原作は、累計発行部数770万部突破の佐島勤によるバトル・ファンタジー小説シリーズ。西暦1995年から歴史が分岐し、魔法が科学的に体系化された超能力の一種として開発・普及された近未来のパラレルワールドを舞台に、その魔法を扱う魔法師を養成する国立魔法大学付属第一高校で繰り広げられる学園ドラマとしての一面もある。

 一見『ハリー・ポッター』シリーズの影響を受けているようにも感じられるが、異彩を放っているのが主人公・司波達也のキャラクターで、要は通常魔法を使えないタイトル通りの劣等生なのだが、そういった設定下でコミカルに走ることなく、なかなか感情を表に出さないクールな面持ちで、ドラマもどちらかというとシビアに進められていく。

 かたや同学年の妹・深雪は非の打ちどころのない優等生。しかし才色兼備のエリートの彼女は極度のブラコンで、兄・達也にラブラブ。この要素が本作を萌えっぽくも微笑ましい雰囲気に包みあげてくれている。

 そしてもちろん、達也の正体は劣等生どころか、ある意味超エリートなのであった。
 
 2014年にはTVアニメーション・シリーズが作られ、その中で原作の《入学編》《九校編》《横浜騒乱編》が映像化。

 そして本作『劇場版魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』は、原作者の佐島自身がオリジナル・ストーリーを構築して、脚本も担当(ライトワークスと共同)。高校2年を迎える直前の春休み、休暇で小笠原諸島のある別荘を訪れていた達也たちの前に、突然一人の少女が現れたことからドラマが動き出す。

 海軍基地を脱走してきたという彼女の正体と、その願いとは……?

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