【劇場アニメレビュー】人数が絞れて見せ場が豊富! 安心してサイリウムを触れる『映画プリキュア ドリームスターズ!』

【劇場アニメレビュー】人数が絞れて見せ場が豊富! 安心してサイリウムを触れる『映画プリキュア ドリームスターズ!』の画像1『映画プリキュア ドリームスターズ』公式サイトより。

 2004年の『ふたりはプリキュア』からテレビ放送を開始したプリキュア・シリーズは、05年『映画ふたりはプリキュア』より劇場用映画シリーズを製作し、3月18日公開の最新作『映画プリキュア ドリームスターズ』で22作目となるのだが、映画プリキュア・シリーズは歴代プリキュアを総登場させるオールスターズもの(主に春公開)と、毎年テレビでそのつどオンエアされているプリキュア・シリーズの劇場版(主に秋公開)と大きく二つに分けることができる。

 この中でオールスターズものは09年春の『映画プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員集合!』(メインのプリキュアは『フレッシュプリキュア!』の面々)に始まるが、さすがに毎年確実に増えていくプリキュア・キャラをそのつど総登場させるのはストーリー的にも設定的にもしんどく、また物理的にも過去にプリキュアを演じた女性声優陣をどれだけ集められるかといった問題もあったりして、秋の単体劇場版に比べると年々苦労がしのばれるようになっていた。

 事実ここ数作は、一応歴代プリキュア勢揃いを謳いつつも(16年の『映画プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!』は総勢44人!)、ちゃんと活躍したり、台詞があるキャラがかなり限られていて、結果としてシリーズのファンをモヤモヤさせてしまうことも往々にしてあったように思う。

 その意味でも、本作『映画プリキュア ドリームスターズ!』は、春のオールスターズからドリームスターズへのマイナーチェンジとでもいうべきか、今回は現在放送中の『キラキラ☆プリキュアアラモード』および前作『魔法つかいプリキュア!』、前々作『GO!プリンセスプリキュア』の3世代に絞ってキャラを登場させている。

 これは冬の劇場版『仮面ライダー×仮面ライダー』シリーズや『スーパー戦隊VS』シリーズが新旧合作スタイルを披露し続けているのと同じ方法論であり、一番無理のないやり方ともいえるものだが、とかく『忠臣蔵』の時代から豪華絢爛なるものを良しとしてきた東映映画の伝統に倣いつつ、落ち着くところに落ち着いたというべきか。

 もっとも、上映時間の3分の1くらいはあるのではないか? と、時にストーリーの流れまで妨げかねないほどに長々と繰り広げられる歌舞伎もどきのキャラ大見え変身シーンを銀幕の大画面で堪能するのが好みだったので、そこだけは少し残念ではあるか……(と、いつの時代も見る側はどこか不平不満を漏らしては作り手を困らせてしまうものではある)。

 また本作のユニークな試みとしては、このところ東映アニメーションが力を入れているCGアニメーション技術を効果的に採り入れていることだろう。

 今回の監督は、15年秋の『映画GO!プリンセスプリキュア Go!Go!!豪華3本立て』の中の短編『プリキュアとレフィのワンダーランド』の演出で第1回CGWORLD賞を受賞した宮本浩史。

 そして今回は、プリキュアたちの通常世界を2Dセルタッチで、異世界「桜が原」はCGで表現。その異世界の危機を訴えに、こちらの世界へやってきた少女サクラの願いを聞き入れて、プリキュアたちが双方の世界を行き来することで、画調が変わるとともに世界観の空気までも変わり、見る者に臨場感を与えてくれている。

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