先日「観応の擾乱」の記事を書くために、確認のためにと買ってみた角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』。
読んでみて、最初に思った感想は「なんなんだこれは……」である。「観応の擾乱」の記述は、なんかBL風味。足利尊氏はイケメン。後小松天皇は悪人面。楠木正成に至っては、単なるヤンキーみたいに描かれている……。
あまりのショックに、思わず全15巻すべて買ってしまった。そして、すべての巻において「どうなってるんだ……」という衝撃を感じたのである。
そもそも、学習マンガで子どもにわかりやすく歴史を学んでもらおうとするスタイルが始まったのは、1981年に刊行された小学館の『学習まんが 少年少女日本の歴史』が最初。現在までに累計1,800万部を記録した定番シリーズに、新たなライバルとして2015年に登場したのが、角川まんが学習シリーズである。
刊行された同年は『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(KADOKAWA)がベストセラーになった年。この中に日本史の学習法として、マンガで描かれた日本の歴史をひたすら読むことが紹介されていたこともあり、歴史マンガは活況を呈していた(『信濃毎日新聞』2015年8月20日付朝刊)。
そうした追い風もあってか、角川まんが学習シリーズは、これまでに累計300万部を売り上げるヒットを達成している。そこまで売れた理由として挙げられるのが、大人が歴史を学び直すための良書でもあると評価されたこと。
実際、大人が読んでも面白いのか。
今回、偶然にも読む機会を得た筆者。最初は幾度も読み慣れた小学館の『学習まんが 少年少女日本の歴史』と比べて違和感があった。ところが、読んでいるうちに次第に奇妙な面白さに気づいたのである。
小学館のシリーズの特徴は、とにかく基本的な情報量の濃さである。平易な解説で、とりあえず最低限知っておくべきことを記述することに注力しているように思える。最低限とはいうが、高校日本史レベルのことまで扱っている。
それに対して、角川まんが学習シリーズのほうは情報量は少ない。なので、小学館のシリーズに慣れ親しんだ大人には面白くない……と思いきや違う。基本を抑えているからこそ、面白さが際立つのである。
思わず全巻買ってしまった……角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』は、大人が読むとトンデモすごい!のページです。おたぽるは、漫画、マンガ&ラノベ、昼間たかし、日本の歴史、観応の擾乱、角川まんが学習シリーズの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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