■モシャモシャだらけ
紗名は終始モシャモシャしっぱなしだった。
この「モシャモシャ」は、彼女自身わかっていない曖昧な感情の総称。今までもずっとなんのことか説明されていないが、以前のモシャモシャと今回のモシャモシャが違うのは、間違いない。
10話のモシャモシャのうちのひとつは「善悪の判断のつかなさ」のようだ。
羽鳥は人の心を勝手に操った。それは断罪してもいいものなのか。事情があるんじゃないだろうか。紗名は結局モシャモシャしちゃったので、羽鳥を叱ることができなかった。
こういうモシャモシャは、大人にも答えの出せないものだ。ただ、紗名は大人と違って「頭を切り替える」「視点を変える」ことができないから、感情が渋滞し、パニックを起こしてしまっている。
「子どもが帰れねえで困ってるんなら、迎えに行くのが大人の役目ってもんだろう」
紗名たちを探しに立ち上がった蔵六のセリフ。
行方のみならず、紗名と羽鳥の心のことも指しているような、頼もしいセリフだ。
6話で迷子になった紗名を、蔵六が探しに行ったのともシンクロする。
「そういう時は前みたいに俺を呼べ」
原作よりも事件が複雑化したアニメ版。これ、まとまるんだろうか。
まあ蔵六がいれば大丈夫かな。ただのじいさんなのに、いるだけで安心がハンパじゃない。
(文/たまごまご)
『アリスと蔵六』10話 紗名のモシャモシャ大ピンチで大観覧車出現、衝撃展開を原作と比較しながら解説のページです。おたぽるは、アニメ、作品レビュー、豊崎愛生、大塚明夫、小清水亜美、J.C.STAFF、大塚芳忠、アリスと蔵六、17年4月期アニメ、たまごまご、コミックリュウ、今井哲也、大和田仁美、高橋未奈美、内田秀、広瀬ゆうきの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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