『アリスと蔵六』6話 金髪美少女、じいさんの家の養子に。優しすぎる展開に、おっぱいを見ることすら忘れる

──紗名の腹巻き、かわいすぎませんか。ブーケを持ってモデルをやっている幼い紗名を見て「ああこの子も嫁に出る(出ない)」みたいな感情で泣きそうになったたまごまご『アリスと蔵六』(TOKYO MX)全話レビューします。高校生の早苗が持ったらもっと泣きそうになるかもしれない。*ここまでのレビュー

『アリスと蔵六』6話 金髪美少女、じいさんの家の養子に。優しすぎる展開に、おっぱいを見ることすら忘れるの画像1アニメ『アリスと蔵六』公式サイトより。新しくなりました。

6話「樫村家」久しぶりの日常回、癒されるー

 蔵六「お前さん、正式にうちの子になる気はあるかね」。原作:今井哲也、監督:桜美かつし、J.C.STAFF制作のアニメ。頑固爺さん(かしむら・ぞうろく/演:大塚明夫)の元にやってきた、妙な力を持つ少女・紗名(さな/演:大和田仁美)を巡る物語。
 原作(徳間書店)のエピソードを拾いながら、切り貼りして組み合わせた、オリジナル要素多めの日常回。原作ファンがニヤッとするエピソードをうまく並べながら、「家族」をテーマに絞って描かれた。
 特にお風呂での早苗(演:豊崎愛生)との会話。あまりにも優しすぎて、おっぱいを見ることをすっかり忘れていました。

■家族ってなんだろう?

 紗名「家族ってなんだ?」
 両親はおろか、家族という概念を全く知らない紗名。言葉で説明するのは大分難しい。
 前半、一緒に暮らすことになった紗名・蔵六・早苗。家事の分担で、紗名も簡単ながらもやるべき仕事がちゃんと与えられている。当番表に紗名の名が書き加えられた。でもちょっと面倒くさいようだ。

 中盤、蔵六と一緒に花を届けにいった先で千佳に出会い、「結婚」とは好きな人と家族になることだ、と教えられる。まだピンとこない。
 後半、迷子になって泣いていた紗名が蔵六におんぶされて、家に帰る。そこで彼女に見せたのは養子縁組の手続き書。
 ここで、理屈じゃない次元で「家族」の意味が理解できて、紗名大喜び。

 特に名前。第一部では自我と感情が曖昧だった紗名。第二部では自分の考え、好きなものへの関心、そしてイヤなものへのわがままを、蔵六と早苗に言えるようになってきている。自分=「紗名という一個人」だと、はっきり理解しはじめている。
 今回樫村紗名という名前が、彼女に与えられた。樫村家の一員、という証だ。
 発売されたばかりの原作8巻でも、彼女は「樫村紗名にしてもらった」と言って、名前にとてもこだわっている。

 人と何らかの関係になったことがない彼女。今回「家族」ができた。
 次回は「ともだち」。

■力の使いみち

 蔵六は後半、迷子になった紗名を叱らなかった。
 髪を切った後にひょろひょろ出ていってしまった紗名が、自分の行動についてすぐに「ごめんなさい」と言ったのは、大きな成長(5話まで「わざとじゃない」と言ってなかなか謝れなかったのに!)。

 紗名は序盤、自分の能力(想像したものがすべてその通りになる)を、ぐうたらするために使おうとして蔵六に注意されている。だから紗名は、迷子になった時にグッとこらえて、力を使わなかった。
 蔵六は、力を使えとは言わないけれども、否定もしない。「それも含めてお前さんだ」大事なのは我慢ではなく、うまく付き合っていくことだと彼は紗名を諭す。

 紗名の力は確かに全世界をひっくり返すとんでもないものだけれども、それは「個性」だ。だから蔵六は徹底して、紗名は紗名だ、と認める姿勢で彼女に向きあう。
 ラストで、蔵六に見られているわけでもないのに、力を使わず自力の足で新聞を取りに行っている。彼女も家族の一員として認められたいのだ。

■ナイスオリジナル改変!

 今回のベストシーンに婚約パーティーの下りをあげたい。
 紗名と話していた少女・千佳は、一巻のおまけマンガに出てくる子だ。蔵六の活けた花を使ってプロポーズされた女子学生で、「……バカじゃないの、は、早いって」と言いながらOKすることに。ほんと早すぎる。
 これをただのサービスカットで終わらせなかった。結婚の話題から「家族」の話に繋ぎ、紗名の「人間のつながり」に対する興味の描写に変えていった。

 床屋からの迷子の話もオリジナル。髪を踏んでしまうというエピソードはおまけマンガのもの。
 6話の脚本を手がけたのは、『アイカツ!』『アイドルマスター シンデレラガールズ』『きんいろモザイク』シリーズなどで活躍する、繊細な日常描写に定評のある綾奈ゆにこ。正直この、いろいろな原作のパーツを集めて最適化して、ふくらませて、テーマを深めるテクニックで、あと3話くらいオリジナル日常回挟んでほしい。もっと話数を増やした上で「日常4:事件6」くらいで見てみたい。

 ひとつだけ気になったこと。
 養子縁組の書類の用事があったとはいえ、紗名を床屋に一人放置しちゃダメだよ蔵六。以前誘拐されてひどい目にあってるじゃん!

 また、一人で歌いながら町を歩くシーン、正直ゾワッとした。この作品世界、女の子に厳しいんだから。「ハイエース」の語が頭をよぎったよ。
 とはいえ過保護になるのもアレだしなあ。子育てって難しいね。

(文/たまごまご

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