■逃げるクリエイターの兆候が怖すぎ
英梨々は、締め切りギリギリまで別荘にこもることを決意しました。
「その代わり、必ず間に合わせるから。あたしを信じて」
ニッコリ微笑む英梨々。学校でお嬢様らしいおしとやかさを演じるための偽装の笑顔です。だから倫也には通じません。倫也は心配そうに見つめ返すことしかできず……ここ、原作だと後ろで氷堂美智留(ひょうどう みちる/演:矢作紗友里)が『秒速5センチメートル』の主題歌を弾いているんです。幼なじみとの永遠の別れフラグが立ちまくり。
一人で行かせてしまったことを詩羽先輩は「甘い」と一刀両断。逃げるクリエイターの、特定のパターンをホラーっぽく解説します。
レベル1。なんとなく言葉遣いが荒くなる。
レベル2。今度は自分を責め出す。
レベル3。だんだん返事が遅くなる。
レベル4。『死にたい』『とかもう駄目』とか、周囲を顧みない自己憐憫を並べ立てる。
レベル5。ある日を境に、まったく連絡が取れなくなる。
なおレベル6は「失踪した女性クリエイターを一生懸命探し出しても、ペンネームと男を変えてとっくに別の仕事してたりすることが多いんですって」それが一番怖いわ(男として)。
■ギャルゲーだったらバッドルート
英梨々からの連絡が、失踪レベル2、3と着々と積み上がっていきます。今回のタイトルは「締め切りが先か、覚醒が先か」です。ディレクターの立場としては成長は二の次、締め切り厳守が正しいんですよ。ところが英梨々は暴走中。いったん描いた絵を消してしまいます。これは英梨々を一人にした倫也のミス。英梨々への立ち回りは今回すべて失敗しています。倫也は車に乗る英梨々を引きとめるのを躊躇してしまった。電話でも
「あんたには言ってほしい。『お前なら絶対できるって。お前は本当はすごいんだって。天才なんだって。だから、描けって』」
「お前は!……お前の、やりたいようにやればいいよ」
あーあ、日和ってしまいました。これがギャルゲーだったら「ティロロロリン↓」って好感度が下がる音が鳴ってるぞ。そもそも英梨々が缶詰までして頑張っているのは、倫也に認めてほしい、ただ一点だけなのに。
倫也が英梨々を素直に認められないのは、幼少期のわだかまりが引っかかったまま、というのもあるかもしれません。小学校の頃、倫也と英梨々がクラスでオタクバレした時のこと。倫也はオタク趣味を隠すことなく戦った。対して英梨々は脱オタしてお嬢様の仮面をかぶり、倫也に話しかけないようにした。
「8年前、脱オタしたフリして新しい友だち作って俺を見捨てたのはお前の方じゃないか!」
「何年もかかって、やっと普通に喋れるようになったけど、それでも俺は、あの時のお前の仕打ちを絶対に忘れない!」(1期9話「八年ぶりの個別ルート」より)
これがある限り、倫也は英梨々を客観視できなくなっている可能性があります。対して詩羽の方が、英梨々の実力を冷静に客観視できていたということ。
『冴えない彼女の育てかた♭』5話 詩羽先輩は足でお仕置きだし、英梨々は失踪しそう。全部倫也が悪いのページです。おたぽるは、アニメ、作品レビュー、茅野愛衣、ライトノベル原作、大西沙織、冴えカノ♭、亀井幹太、丸戸史明、かーずSP、17年4月期アニメ、安野希世乃、冴えない彼女の育てかた、冴えない彼女の育てかた♭、富士見ファンタジア文庫、矢作紗友里、松岡禎丞、A-1 Picturesの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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