「人よ! 意志の疎通を望む」
『正解するカド KADO:The Right Answer 』の第2話、ついに『未知との遭遇』第三種接近遭遇である。
“この宇宙とは別の世界からやってきた別の存在”ヤハクィザシュニナと日本国政府の交渉がはじまる。
どんなハードな設定のアニメなのか! すげぇな、ワクワクが止まらない米光一成が全話レビューするよ。*第1話レビュー
ヤハクィザシュニナ(CV:寺島拓篤)のそばに外務省の交渉官・真道幸路朗(CV:三浦祥朗)がいる。
日本国政府の窓口は、外務省国際交渉官の徭沙羅花(つかいさらか/CV:M・A・O)に決定。
「ヤハクィザシュニナ→真道幸路朗→←遙沙羅花←日本国政府」の構図だ。
だが、真道幸路朗と遙沙羅花が単純な中継役に終わるわけではないだろう。
ヤハクィザシュニナと真道幸路朗が「カド」の上に現れて人々に語りかけた時。
交信できる状態になるまでのタイムリミットを、ヤハクィザシュニナと真道幸路朗が交渉してから伝えるシーンがあった。
真道幸路朗と遙沙羅花は、おそらく交渉の流儀として通じ合う部分がでてくるだろう。
だが、それぞれお互いの交渉元であるヤハクィザシュニナと日本国政府にどう納得させるか。
第2話は、カドに取り込まれた飛行機の乗客たちが描かれた。
飛行機の外へ出る真道幸路朗。
暗闇に手を触れると、光り輝き、夢のように奇妙な光景が拡がる。
見上げる。
光球から何かが生じる。心臓、そして人の形になる。
真道幸路朗のモノローグ。
「超自然的な現象なのか、人類の知らない未知のテクノロジーなのか、それとも本物の神なのか」
また「神」だ。
第1話でも、理論物理学者の品輪彼方(CV:釘宮理恵)が「神ですね」と語るシーンがあった。
突如出現した巨大立方体カドについて、「オーバーテクノロジーっぽいですねー」と言い、「神ですね」と語った。
真道幸路朗が、「未知のテクノロジーなのか、それとも本物の神なのか」と考えたのと同じ流れだ。
これは、単なる偶然ではないだろう。
実は、理論物理学者が安易に「神」と言うことには少し違和感を覚えた。
だが、理論物理学者もいろいろなタイプがある。だから、そういうタイプなんだろうと思った。
だが、今度は、別のキャラクターがまったく同じ思考の流れで「神なのか」と語るのだ。
物語の豊かさのためには、多彩であるほうがよい別々の登場人物の思考のパターンが、まったく同じ。
そうさせてしまうだけの何らかの要請が、ここにはあるのだろう。
人の形をとったものは、ヤハクィザシュニナ。
全裸で登場である。
ヤハクィザシュニナがコミュニケーションをとろうとする。
が、チューニングがあわず脳を破壊するかのような衝撃を受ける真道幸路朗。
苦しむ真道幸路朗を助けるべく、飛行機から飛び出す花森瞬(CV:斉藤壮馬)。
第1話から続けて、真道幸路朗×花森瞬のカップリングをそうとう意識してるっぽい演出。
スマートフォンから情報を取得して、あっという間に日本語ペラペラになるヤハクィザシュニナ。
ヤハクィザシュニナと真道幸路朗の交渉がはじまる。
「乗客を外に出してもらいたい」
乗客は、29日間、外に出られないことが判る。
そして、真道幸路朗のもうひとつの要求は、ち●こ丸出しはあれこれ困るので「服を着てくれないか」だ。
「カド」の上に現れたヤハクィザシュニナは、人々に語りかける。
「あなたたちは考え続けなければならない。私が敵なのか、味方なのか。それは、正しい。常に思考し続けること。それが世界における唯一の正解だから」
ふたりもの知的な人間が神だと思った(つまり、何者なのかという問いに対する思考を停止したのだ)その存在が、「考え続けなければならない」と語ったのだ。
世界の推進をめぐる交渉がスタートする。
いよいよ、物語が大きく動き始めるはずだ。
(文/米光一成)
『正解するカド』2話 世界における唯一の正解が示され、美形ヤハクィザシュニナは服を着るのページです。おたぽるは、アニメ、作品レビュー、東映アニメーション、寺島拓篤、村田和也、釘宮理恵、SF、斉藤壮馬、渡辺正樹、正解するカド KADO:The Right Answer、17年4月期アニメ、三浦祥朗、米光一成、野﨑まど、M・A・Oの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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