減少するミツバチの代わりになるか!? ブンブン飛んで農作物を受粉させる“ミツバチドローン”開発中!

■ドローンが受粉行為を自律的に行なうシステムを開発中

 現状では人間がコントロールして花の間を行き来させなければならないが、現在、研究チームはこのドローンが受粉行為を自律的に行なうシステムを開発中である。GPSと高解像度カメラ、そして専用の人工知能を搭載して、みずから独立して受粉行為を行い、接触した花と移動ルートを正確に把握しながら一連の行動を行なう機体にすることを目指している。これはもちろん野菜農家のニーズに叶うものにするためだ。

「私たちはこれらの技術がミツバチの減少への対策手段になることを望んでいます。重要なことはミツバチとこのドローンが“共同作業”をすることにあります」と都氏は「New Scientist」の記事で言及している。つまり、このドローンは完全にミツバチにとって代わるものではないということだ。あるいはミツバチの行動を学習する機能も搭載されるのかもしれない。

 夢が広がる“ミツバチドローン”だが、オーストラリア国立大学の研究者、ソール・カニンガム氏はこのドローンの開発計画は「唖然とするものだ」と疑問を表明している。それはやはりコストの問題だ。機体をもし開発できたにせよ、広い農場で実際に稼動させるためには何十機、何百機という数が必要になり、ある程度の長い連続稼動時間と広い行動半径が求められる。こうした要素を考えると、莫大な費用がかかりまったく採算に合わないということだ。

 カニンガム氏はドローン開発よりもやはりミツバチの減少を食い止めることが最優先であり、ミチバチに害の少ない殺虫剤の開発や、あるいは農作物の自花受粉の割合を増やしたり、集めた花粉を作物に吹き付けて受粉させる機器を開発したりすることが先決であるということだ。

 もちろんミツバチの減少に歯止めをかける取り組みが最も重要であることは間違いないが、自律的な受粉ができるドローンを開発してみること自体には意味があるだろう。ドローンの小型化によって思わぬ別の可能性が拓けてくることもあり開発の進展に期待したい。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・New Scientist
https://www.newscientist.com/article/2120832-robotic-bee-could-help-pollinate-crops-as-real-bees-decline/

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