中の人も警戒するほど、大蔵卿局にヘイト集中! 一方我らがヒロイン長澤まさみ、堀田作兵衛の名シーンが涙腺を直撃!?『真田丸』第47話「逆襲」レビュー

 そんなきりと同じく『真田丸』序盤から登場、堀田作兵衛(藤本隆宏)の、格好良いセリフも印象的だった。嘘ばかりついていた昌幸(草刈正雄)が、実はただひたすら武田家に忠実であったこと、同じく幸村も秀吉を決して裏切らないであろうこと――昌幸・信之・幸村の3人をよく知る作兵衛ならではの意見であったし、昌幸がちょいちょい武田信玄(林邦史朗)を思い出したり、彼の幻影を見ていたりするイメージカットがよく効いていたと思う。

 さて、この第47話で一番話題となっていて、ヘイトを集めてしまっている大蔵卿局。演じている峯村リエのTwitter(@rieminen)などを見ると、『真田丸』公式サイトに掲載されるインタビューの紹介ツィート時には「ま、今は何を言っても怒られそうですが!なにとぞ!」、「スタジオパークからこんにちは」(NHK総合)に出演することを報告する際にも「真田丸の後なので非常に恐ろしいでーす。かしこ。」とつぶやくなど、スタッフもキャストも大蔵卿局にヘイトが集まることを予想していたことがわかる。

 なお、公式サイトのインタビューでは、“第40回「幸村」あたりから、「なりませぬ」「ありえませぬ」ばかりで、きつくなっていく大蔵卿局。演じていても常に眉間に神経がいっている状態で、本当にシワが寄っちゃいました(笑)。監督からは「SNSとかの反応は、見ないほうがいいですよ」と言われていたんですけど、第40回の放送後にちょっと見てしまって。そうしたら、案の定すごくて、軽くへこみました(笑)”と、素直な心境を吐露していたり、読み応えあるので、ぜひチェックしよう。

 茶々はきりと並ぶ2大ヒロインの片割れ、秀頼を経験不足で若すぎるけれど決して凡庸ではない若者、そして大野治長(今井朋彦)を牢人たちに少しずつ感化されている人物として描いている分、貧乏くじが大蔵卿局に集中してしまったし、集中せざるを得なかったのだろう。また阿茶局を若いころから家康の側にはべり、かなり鋭いところがある存在として描いていたことが、この最終盤にきて実に効果的であった。

 徳川方は家康(内野聖陽)も本多正信(近藤正臣)も阿茶局も、皆高齢ながら現役なのに対して、大坂方には秀吉(小日向文世)がブイブイ言わせていたころから、いまだに現役という人材が一人もいない。その差が如実に出たが、ぎりぎりまで追い詰められたことで、ようやく大坂城内でも一致団結のムードが高まってきた。

 あのシーンにいたほぼ全ての武将が、史実ではあともう少しで死を迎えるのかと思うと、それだけで泣いてしまいそうである。だがそれでも幸村、というか三谷幸喜なら華々しく格好良く散るだけではない最期を見せてくれるのではないかと期待しつつ、残る3話の行方を見届けたい。
(文・馬場ゆうすけ)

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