VR技術はリハビリにも有効だった!! Oculus Riftと人工外骨格を装着したリハビリでまひ患者が歩行可能に!

■“運動神経”はVRトレーニングでも形成できる

 この3つのフェイズを計12カ月かけてじっくりと行なったわけであるが、リハビリ参加者はいずれも完全な下半身まひ状態から改善し、うち4人について「部分まひ」の状態に回復したということだ。

 下半身が完全にまひしてから10年以上を経ていた32歳の女性はこのリハビリの結果、支持具と理学療法士の助けを借りて歩くことができるようになり、ハーネスで体をつりさげられた状態では、助けを借りることなく自力で歩くことができるようになったということだ。

 脊髄損傷でいったんは下半身がまひ状態になっても、バーチャル空間の“運動”と人工外骨格のサポートによる歩行体験で、脳と神経の新たな回路が形成されてくるのではないかと考えられている。しかし、一朝一夕に形成されるものではなく、今回のリハビリのように12カ月、あるいはそれ以上の根気強いリハビリが必要とされくるようだ。

 脚の動きだけでなく、膀胱や腸の感覚も少しずつよみがえり、自分で排泄のタイミングがわかってきているリハビリ参加者も多いという。研究チームは今回の発見は下半身まひのリハビリに大きな影響を与えるものになると確信している。

 今回の研究で明らかになったのは、VRの“運動”でもそれなりに身体に影響を及ぼすということだ。これは健常者にとっても、例えば各種スポーツのトレーニングなどにも有効に活用できる可能性をはらんでくるだろう。つまり、“運動神経”の回路はVRのトレーニングでも形成できるということになるからだ。VR技術はエンタテインメント以外にも大きな可能性を秘めていることがこうした研究でも指摘されてきている。今回の発見が今後どのような分野に応用されるのか興味深い。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・The Verge
http://www.theverge.com/2016/8/11/12443026/virtual-reality-exoskeleton-paraplegic-oculus-rift
・Smash
http://www.smash.com/prototype-exoskeleton-fits-lower-leg-takes-slog-walking/

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