『Overwatch』にまた“物言い”! 女性団体ではなく今度はヒンドゥー教団体!!

■「ヒンドゥー教の神がコントローラで操られてはならない」

 ヒンドゥー教とビデオゲーム表現の間にはこれまでにもいくつかの出来事が起っている。

 2008年10月にリリースされた『Fallout 3』だが、実はインドでは同タイトルのXbox 360版が発売されなかった。これはマイクロソフトの“自主規制”で、ゲーム中には放射能の影響で頭が2つある双頭の牛である「ブラフマン」が登場するのだが、ブラフマンといえばインドではヒンドゥー教の最高階級の呼称である。これが誤解を招きかねないとして、マイクロソフトは『Fallout 3』のインドでの発売を見送ったといわれている。

 今回の件で陳情したラジャン・ゼッド氏は2009年にも、ヒンドゥー教の神々の一人であるハヌマンが登場するゲーム『Hanuman: Boy Warrior』にも苦言を呈している。ヒンドゥー教の神が、ジョイスティック、ボタン、キーボード、マウスで操ることができる存在であってはならないと訴えたのだ。

 さらにゼッド氏は、2014年にPC版がリリース(その後1年おきにXbox One版、PS4版がリリース)された宗教上の神々が相争う人気アクションバトル『Smite』で、ヒンドゥー教の神々がゲームのキャラクターになっていることに不快感を表明している。また今年2月には、3DSソフト『真・女神転生IV FINAL』に登場するキャラクターである「クリシュナ」に対してゼッド氏は「崇高なヒンドゥー教の神への冒涜である」と批判し、ゲームからの削除を要求する発言を行なった。

 こうしてみれば、特にビデオゲーム業界を“狙い撃ち”にするゼッド氏の意図がよく伝わってくるといえるだろう。伝統的宗教の神に肖像権やIP(知的財産権)はないと思われるが、崇拝の対象を不適切に扱われたとすれば、当然のことながら信者たちは黙っていないだろう。ゲームクリエイター側にはますます窮屈な状況となってきそうな話題だが、これも今後ますます進む文化の多様性、ダイバーシティを認め合うグローバルな社会にあっては致し方のないところではないだろうか。くれぐれも意図せぬ敵は作らないように気を配りたいものだ。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・Develop
http://www.develop-online.net/news/hindu-statesman-calls-for-better-treatment-of-faith-by-devs-in-wake-of-overwatch-skin-criticism/0222278
・Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Religion_and_video_games

真・女神転生IV FINAL (2016年2月10日発売)

真・女神転生IV FINAL (2016年2月10日発売)

クリシュナ消せってかなり難しいゾ

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