KADOKAWAが発表した「アニメ聖地巡礼88カ所」企画が、話題を呼んでいる。
20日に香港で開幕した「香港ブックフェア」にあわせて、記者会見を開いたKADOKAWAの角川歴彦会長から発表されたこの企画は、増加する外国人観光客へのアピールを狙ったもの。アニメの聖地を持つ各地方の自治体と連携した聖地ツアーなどを実施し、来日観光客を増やすことが狙いだ。
このニュースを受けて、日本国内では早くも、どこが聖地に選ばれるのかが話題となっている。日本国内にある聖地と呼ばれる場所は数限りない。聖地巡礼をテーマとしたサイトはいくつも存在するが、少なくとも日本国内には数千の聖地があると考えられる。おそらくは、一つの自治体を一カ所と数えて、その中に聖地となる複数の場所がある形式になると思われるが、それであっても数は膨大だ。
その中から88カ所を選ぶとなると、相当な選考が必要になるはず。あくまでKADOKAWAの企画であるため、自社が権利を持つ作品が多くは入るだろうが、それだけにはとどまらない。おそらくは、他社の作品も含めて、多くのファンを獲得しているもの。そして、聖地巡礼の歴史上、外せないもの。さらに、ネタ系もいくつか選ばれるのではないかと考えられる。
定番というところで、西宮市(兵庫県)や久喜市、秩父市(埼玉県)などが選定されるのは、間違いないだろう。白川村や高山市(岐阜県)なども当然、選定されると考えて間違いない。加えて、岐阜県では美濃加茂市なども入るのは間違いない。
さらにネタ要素を含んで、とんでもない場所にある聖地が選ばれる可能性も否定できない。国内の聖地で、秘境度が高いところはどこかと調べて見たが『未確認で進行形』(原作:荒井チェリー/一迅社)に登場した金山町(福島県)や『凪のあすから』(原作:Project-118/TOKYO MXほか)の熊野市(三重県)あたりが、それだろうか。
ただ、秘境とはいえ公共交通機関が不便なだけであり、やる気があれば訪問できる場所なのも事実。むしろ、そういった訪問には、多少の努力が必要な場所のほうが観光客にはウケるのではないかと思われる。
筆者は4月にアニメじゃなくて、ガチの聖地である熊野三山を訪れた。ここは世界遺産にもなった熊野古道があることで知られる土地。その古道を歩いているのは、ほとんどが外国人。日本人のほうが少ないような雰囲気だったのである。どうも、日本人は観光バスを使って手っ取り早く熊野三山を参拝するのを好み、外国人観光客、とりわけ欧米系の人々は、熊野古道を使ってじっくりと体験することを好んでいるように見えた。
つまり、手軽にたどり着くことのできる聖地よりも、いくらかの苦労を強いられるという物語が、訴求力を高めているのである。さらに必要なのは、アニメの聖地じゃなくても来てよかったと思わせる要素だ。単に「ここが、○○の舞台です」と看板が立ってるだけでは、がっかりスポット。聖地をネタにして、地域の魅力をいかに知らせるかが必要になるだろう。
そう考えると、むしろ「アニメの聖地で町おこしを当て込んだら失敗しました」という自治体も88カ所の中に加えるとよいのではなかろうか。
あと、聖地巡礼発祥の地である飯島町(長野県)は、必ず入るよね?
88カ所にどこが選ばれるのか、期待だ!
(文=ルポライター/昼間たかし http://t-hiruma.jp/)
ネタ枠で選ばれる聖地はどこだ!?「アニメ聖地巡礼88カ所」に、早くも興味津々のページです。おたぽるは、アニメ、話題・騒動、KADOKAWA、昼間たかし、角川歴彦、アニメ聖地巡礼88ヵ所、熊野三山、香港ブックフェアの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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