香港で“ピカチュウ”の名前変更に抗議デモ! 一方、意外と知らない『ポケモン』世界の呼び方とは

1606_pikatyudemo.jpgYouTube「Hong Kongers Protest Over New Translation of ‘Pikachu’ 」より。

 5月30日、香港で“ピカチュウデモ”が起きているというニュースが舞い込んできた。デモ隊は日本領事館に集まり、その可愛らしい名前とは裏腹に、そこそこの事件になっているようだ。

 香港メディアによると、『ポケットモンスター』(任天堂)のキャラクター、ピカチュウの香港での名称が、これまで国内で親しまれてきた広東語の名前「比卡超(Bei Ka Chiu)」から、中国語(北京語)の名前「皮卡丘(Pei Ka Yau)」と、変更になることにたいしてデモ隊約20人が抗議しているのだという。

「どうでもいいこと」と思ってしまう人も多いだろうが、よく「中国人は香港を中国の一部だと思っているが、香港人はそう思っていない」と言われているように、香港VS中国の対立は根深いようだ。今回のデモも「ピカチュウの名前を変えたくない!」という思いもさることながら、「香港の言語・文化を守りたい!」という思いから行われたのだと推測されている。

 この騒動には海外からも「過剰反応じゃない?」「何が問題なの?」「よくあることじゃん」といった声が上がる一方で、「任天堂は酷いな」「文化はもっと尊重するべきだぞ」と、デモに肯定的な意見の人も多い。また、「デモを起こしているのはポケモンファンでもなんでもなく、ただの政治的なグループがポケモンを利用してPRをしているだけ」といった声もある。

 一方、日本では「ほほえましい記事だ」「平和だな」「任天堂って愛されてるな」と楽観視する声や、「もう『電気鼠』で統一しろよ」「『サンダーラット』でOK」「光宙で」「雷鼠」と新しい名前候補を出したりと、相変わらずの日本クオリティな反応を示していた。

 なぜ、今回は『ポケモン』の中でもピカチュウだけがフューチャーされたかと言えば、実はピカチュウ以外の名前は他国ではまるっと変わっていることも多く、変わっていないのはピカチュウの進化形態“ピチュー”“ライチュウ”、その他では“トゲピー”“マリル”などしかない。

 そこでちょっぴり面白い海外での『ポケモン』の名前をご紹介。まずは“ケーシィ”。マニアなら常識なのだが、ケーシィの名前の由来は実在の予言者エドガー・ケイシーからきている。そのため、権利がちょこっとうるさい海外では名前を変更。世界共通呪文「Abrakadabra(アブラカダブラ)」からとって「Abra(アブラ)」と言われている。ケーシィの進化形であるユンゲラーも実在の超能力者ユリ・ゲラーから来ていることから「アブラカタブラ」の後半「Kadabra(カダブラ)」という名前に。さらにユンゲラーの進化形“フーディン”も奇術師ハリー・フーディーニからきていることから、世界共通呪文「Alakazam(アラカザム)」からそのまま「Alakazam」となっている。

 他には、諸説あるが猫の鳴き声からきているという“ニャース”は、それぞれの国の猫の鳴き声をもじった名前に変更され、英語では「Meowth」、ドイツ語では「Mauzi」、フランス語では「Miaouss」となっている。

 ニャースの例からすると、ピカチュウの名前の由来も、光の擬音「ピカッ」と、ネズミの鳴き声の「チュウ」の組み合わせからきていることから変えられそうなものだが、さすが“ピカ様”、自らの名前を世界共通語にするとは、その他キャラとは格が違うようだ。今回の名前変更もどちらに転ぼうと、呼び方はほぼ「ピカチュウ」のまま。今回の騒ぎに任天堂がブチ切れて、電気鼠に改名したら面白いのに。

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