ガジェットとして欲しくなるハイテク“筋電義手”開発がアツい!

■先端技術の粋を尽くして作られた「BeBionic Small」

 この筋電義手に関しては、昨年はエポックメイキングとなる重要な出来事があった。イギリスのハイテク義肢メーカーのSteeperが、軍事技術やF1カーの技術を基に25人のデザイナーの総力を結集して、ある29歳の女性に向けた筋電義手「BeBionic Small」を開発・製作したのだ。開発には18ヵ月の期間があてられ、開発費には100万ポンド(約2億円)がつぎ込まれたという、先端技術の粋を尽くして作られたBeBionic Smallは、生まれつき右腕のない29歳のイギリス人女性、ニッキー・アシュウェルさんに向けて作られた特注品だ。

「BeBionic Small」紹介動画 「BeBionicUK」より

 もともとは男性の手を想定して作られたBeBionicを、アシュウェルさんに合うように約30%小型化し、重さを390gに抑えることができた。しかしながらパワーはじゅうぶんで、握力は最大45kgにも達する。337もの精密な部品の中には、航空宇宙産業グレードのアルミニウムや、希少金属なども使われている。

 これまでは動かない通常の義手を着けていたアシュウェルさんは、初めての筋電義手に慣れるまでに数日を要したが、その後はめきめきと扱いに習熟。日常生活の中で財布を持ったりするのはもちろん、ジムでウェイトリフティングをしたり、外で自転車を漕ぐこともできるようになったということだ。

 いわばSteeperの威信をかけて製作したこのBeBionic Smallだけに、価格は1万1000ドル(約119万円)になるということで、前出のYouBionic Handの9倍以上だ。しかし今後需要が徐々に増えていけば、価格のほうも少しずつ下がってくるだろう。ともあれ、ほんの2、3年前は夢の話だった筋電義手が、昨今急速に技術革新が進んでいることには驚くばかりだ。
(文/仲田しんじ)

【参考】

・Gizmag
http://www.gizmag.com/bionic-hand-pre-order/42547/

・Mirror
http://www.mirror.co.uk/news/technology-science/science/nicky-ashwell-bionic-hand-britains-5890286

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