CG児童ポルノ裁判。 論告/弁論要旨全文公開

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 12月28日、CG児童ポルノ裁判の公判で検察官の論告求刑と、弁護人の弁論、そして被告Tさんの最終意見陳述が行われた。検察側は、Tさんが「インターネット通信販売サイトを運営する会社に対し、写真画像の流用・使用はしていない旨の虚偽の申告を行った上で本件グラフィックス集の販売を委託して、不特定多数の者が容易に児童ポルノを入手できるようにした」悪質な犯罪であるとしたばかりか、公判では「不合理な供述をしてまで自己の行為を正当化しようとしている」として、反省の意志がないと判断。さらに被告人を罰せねば「コンピュータグラフィックスであることに籍口した児童ポルノの製造が横行することにもなりかねない」として、懲役2年及び罰金100万円を求刑した。

 検察側は弁護側がこれまでの公判で明らかにしてきたトレースしたものではないという主張をまったく考慮せず「本件各画像は、被告人がレイヤーとして取り込んだ素材画像と同一の姿態を描写し、あるいは、素材画像では写っていない部分を他の写真を参考にして描写する、あるいは他の写真を参考にして手の位置等に変更を加えて描写するという方法で作成されたもの」と主張した。
 
 公判の模様については先に記事にしたが、今回、論告要旨と弁論要旨を入手したので、ここに全文を公開する。

 これまで一連の裁判の経過は当「おたぽる」に随時報告してきた。時を同じくして、この事件の主任弁護人である山口貴士弁護士が扱う「表現の自由」をめぐる裁判として、ろくでなし子氏の作品に対するワイセツを問う裁判も展開されている。比較することはできないが、ろくでなし子氏の裁判に対して、CG児童ポルノ裁判は極めて地味に展開されてきた。

 被告のTさんは、極めて折り目正しく無口な印象の人物だ。筆者はTさんの作品の芸術性がいかほどの価値を持つものか判断することはできない。けれども、Tさんがあくまで自分の考えた表現方法を追及することにだけ心血を注いできたことは自ずと理解出来る。

 ただ、Tさんのストイックな表現は、世間の耳目を集めるものではなく傍聴席も空席が目立つものだった。とはいえ、この裁判は「表現の自由」を国家が判断することの無意味さを改めて明らかにしている。Tさんの表現は、国家や社会的通念なるものの先をいっている表現といえる。そんなものを国家が判断することなどできないのだ。

 価値ある裁判ではあるものの、前述のように「地味」な展開ゆえに弁護団が手弁当になっているのも事実。判決を前にさらなるカンパが求められている。
 
カンパ送付先:郵便振替「00120-3-419023 CG児童ポルノ禁止法違反弁護団」

(ルポライター/昼間 たかし http://t-hiruma.jp/

下記より、それぞれの全文を公開。
弁論要旨
論告要旨
編集部註:
CG児童ポルノ裁判の記事については、これまで「冒頭意見陳述書」の全文を公開。証人などの個人名も原則実名で記載してきましたが、諸事情により修正して差し替えます。

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