「無価値な情報」を、いかに後世に残すか? ファミコンの攻略本1000冊が大集合の「ファミコン攻略本ミュージアム1000」編著者・松原圭吾インタビュー

──「ファイアーエムブレムタクティクス」(新紀元社)はいかがでしょうか?
松原 ソフトの発売からほぼ一年後に発売された一冊です。そんな時期に攻略本を出すというのがまず挑戦的だし、それでも需要があったというところに注目です。当時のゲームがいかにゆっくり遊ばれていて、1年経ってもまだ売れるタイトルがあったということがわかります。中を見てみると、どの段階でどこにキャラクターを配置していけばいいのか、というレベルまで言及されているので、初心者はこの本さえ見ればどうにかクリアできるようになっています。かなり丁寧な一冊です。
 ここまでしっかりと作りこんじゃうと、ゲームプレーの実況に近いのかな。本の通りにプレーすると、リプレイに近くなりますからね。そういう意味では、ゲームを楽しめずに挫折した人のための本というニュアンスもあります。『ファイアーエムブレム』は実際に難しかったですからね。この本みたいに、読んだらもう一度ゲームをプレーしたくなる本は好きですね。

1512_matsu05.jpg「ファイアーエムブレムタクティクス」(新紀元社)

──そして最後はJICC出版局(現・宝島社)「女神転生IIのすべて」ですね。
松原 これは知人のゲームライター・成沢大輔さんの本だからひいき目に見ちゃう部分がありますが、ゲーム制作側のスタッフではない成沢さんが、ゲームの世界観をすごく大切にしたガイドブックを作ったという意義はすごく大きいと思います。ゲーム内にはグラフィックと数値データ以外にゲーム中に登場する天使や悪魔の情報はないのですが、この本では様々な専門書から元ネタを集めて設定を作りこんでいます。この本によってファンのレベルが上がっただろうし、もしかしたらこの後のゲーム開発にも影響を与えていた部分があるんじゃないでしょうか。また、ゲームの外から情報を持ってくる、というガイドブックものの作りは以降の攻略本にも大きな影響を与えていると思います。

1512_matsu06.jpg「女神転生IIのすべて」(JICC出版局)

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