これらのシーンの構築がいっそ陳腐であれば激怒もできるのだが、作っている側は非常に真摯に取り組んでいることは画を見れば一目瞭然だし、何よりもいまどきモーションキャプチャーを使うことなく、手描きの2Dでライブ・シーンを魅せるなんて、それだけでもありがたい話ではないか。
しかし、そこまでやってくれているのならば、じっくり見せてほしいのだ。
菜々美の光塚エピソードに関しては、これまでどちらかというと他者よりも内面が描かれてこなかったキャラクターだっただけにスポットを当ててくれたのは嬉しい限りだが、それでも1時間枠であのオチならば、ナナミン・ファンからは怒られるかもしれないが、今回はないほうが映画としてはむしろスムーズではなかったかという気もしないでもない。
いずれにせよ、ヤマカン監督のWUG!に対する慈愛の眼差しは、今回もこちらまで涙ぐましく感じてしまうほどで、その意味では今回こちらも見る前から過剰な期待を抱いてムビチケを勇んで買い、公開初日に劇場に駆けつけた身であるがゆえに、これで『WUG!』のアニメーション・シリーズを終わらせてほしくないというのが本音であり、今回のエンド・タイトル後の真のラストショットが映されたとき、「え、これでシリーズ終了?」とでもいった不安がよぎってしまったのだが、それが余計な気苦労であることを願いたいし、次こそは時間をたっぷりかけてのWUG!をはじめとするアイドルはもとより、彼女らの周囲にいる大人たちのドラマもきちんと見据えたい。
というか、次は最低でもマジに劇場版長編3部作枠か2クールのTVシリーズでWUG!の新たな道のりをじっくりと見せてくれ! と、毎度WUG!ヲタの太田がファミレスのおねいさんたちに怒られるくらいの大きな声で、製作委員会には強くお願いしておきたいところなのであった。
文/増當竜也
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