【劇場アニメレビュー】少し詰め込みすぎ……?ヤマカンの愛を感じる『続・劇場版Wake Up,Girls!後篇〔Beyond the Bottom〕』

 最近、中編仕様のアニメーション映画のイベント上映が激増しているのは歓迎すべき事象ではあるのだが、やはり作品の内容に応じて時間枠やお披露目の仕方などをもっと考えたほうがいいのではないかと思える作品も少なくはない。
『WUG!』の劇場版にしても、特に今回の続編は、中編の前後篇2部作にする必要があったのか? 2時間前後の長編2部、いや、いっそ3部作くらいの枠を設けて、じっくり彼女たちの青春群像を描いてしかるべきものだったのではないか?

 そうこう考えていけばいくほど今回は、いや、このプロジェクトに対しては幾度ももったいないと思えてならない部分が多数あった。

 最初の劇場版はまだTV版のプロモ的な第0話とでもいうべき役割を果たしていたので、中編仕様でも許せる部分はあったものの、続くTVシリーズのほうは2クールかけてちょうどの内容のものを1クールに押し込めている感は否めなかった(特に最後の3話分はあまりにも駆け足的すぎる。せっかく男鹿なまはげーずなど魅力的なライバル・ユニットも出てきたりしたのだから、地区予選大会などはもっとじっくり見せてもらいたかったし、それは今回の後篇も同じだ)。

 今回も、WUG!が夏休みを利用してマイクロバスで全国を回るくだりなど、TVシリーズならばここらは一か所につき1話ずつ費やしても惜しくはないくらいの見せ場になっただろうし、何よりも一瞬一瞬の各地のショットが、もっと映してくれと言わんばかりに魅力的に映えているのだ。

 事務所の丹下社長とかつて共にアイドルユニットをやっていたサファイヤ麗子の登場も、演じる声の主がそれぞれ日高のり子と佐久間レイの『トップをねらえ!』コンビであることだけでも憎い計らいなのだが(しかもこのふたり、80年代伝説のNHKアイドル番組『レッツゴーヤング!』サンデーズのメンバーでもあった!)、そんな彼女がWUG!のために新曲『Beyond the Bottom』を作曲する決意を固めるくだりも、正直もっと溜めて描いていただきたかったところ。

 曲のお披露目にしても、これは前作『青春の影』の主題歌『少女交響曲』にしてもそうだったが、WUG!がそれらの曲をフルコーラスとまではいかなくても、ファンが満足できるところまで歌い踊るシーンをじっくり見せてほしいと願っていたものの、実に魅力的な画を準備してくれてはいるのだが、残念ながら時間の制約でこちらが満足する寸前のところで次のシーンに移行してしまうので、妙なモヤモヤがたまってくる。

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