『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』出版記念対談【前編】

【小明×姫乃たま】精神を病む素質あり(!?)の売れないアイドルの幸せはどこにあるのか?

■姫乃たま「精神を病む気質がないと、地下アイドルを続けるのは難しいかもしれません」

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小明 仕切り直そう! 出版おめでとうございます!

たま 出産おめでとうございます!

小明 アザース! 私はずっと「おたぽる」でたまちゃんの文章を読んでいてね、「今の売れないアイドル業界ってこんなことになってんのかよ、おっかねぇな」って震えていたの。それから『世界の終わりのいずこねこ』の撮影現場で初めてたまちゃんにお会いして……っていうか、あの現場、若い子が多かったよね。29歳だった私は、みんなの写メに油断した顔で写りこまないように、そーっと移動しながら過ごしてたのね、心もとなく。

たま 保健室で寝てましたよね。

小明 机に突っ伏して寝たとかじゃなくて、ベッドでちゃんと寝た。そこを追い出されてからは控え室の床に毛布を引いて、大道具のタオルをかけてもう一度寝た。「そろそろ出番なんで起きてください」って起こされてムニャムニャしながらコンタクトレンズ入れてた。

たま わははは

小明 孤独な時に寝るっていうのは、学生時代から染みついてる癖だよね。まぁそんな流れで、私はあの現場でひどく孤独だったわけだけれども、そんな私と同じ目をした奴がいるではありませんか。それがたまちゃん、あなたです。ロック・オン! 私は自分のことばっかり書いて本を出してきたけど、たまちゃんはほかの人のことを書くでしょう。で、自分も地下アイドルだから、説教くさくもならないし、馬鹿にもしないし、独特なんだよね。だからさ、もう就職もしなかったことだし、このまま横浜メリーさんみたいになりながら地下アイドルを続けて、周りのアイドルの子の話を書き続けていけば、それでもう一生食えるよ。やったね!

たま いやいや、実はもう頭打ちだなって感じてるんですよ。私は小明さんと反対で自分の意見があまりないので、このままだと飽きられていくだろうなという不安はありますね。

小明 頭打ち早! でも、意見がないっていうか、売れないアイドルやってると、どうしてもネガティブ方面に感情的になってしまうのに、たまちゃんの文章は淡々としていてメンヘラ臭がしないよね。

たま あっ、そう見えますか? 病院でほろほろ泣いたりしてますよ。

小明 メンヘラと地下アイドルは近いところにいるよね!

たま そうですね。逆に精神を病む気質がないと、地下アイドルを続けるのは難しいかもしれません。

小明 認められたい、愛されたいっていう欲求が過剰な人たちがなりがちだもんね。入り口からすでに病んでいる。

たま バリバリ踊って汗かいてる体育会系のアイドルは例外だと思うんですけどね。

小明 そう! でも! 我々は汗をかいていない!

たま そうなんですよ。私も汗かくほどは踊らないですし、小明さんも「クリオネの気持ち」を歌いながら、ばりばり踊っていたとは思えない。

小明 踊ってない、踊ってない。一粒の汗もかかない。その代わりに、悲しいことがあった時に流す一粒の涙を、すべてネタにしてしゃべったり原稿に書いたりして元を取っているわ。

 ……そういえば、映画撮影の帰り際、私、渾身の思いでたまちゃんに「アイドルライターを継いでくれない?」って聞いたら、たまちゃん「あっ、大丈夫です」って、あれ、ものすごい即答だったね!! たまちゃんから「小明さんの本を読んでアイドルに〜」とか言ってきてくれたのに、ものすごく早い拒否だったね!? そのうらみつらみを、一応バレないように匿名で「月刊少年シリウス」(講談社)の連載に書いたらさ……

たま アカリスト(小明ファンの呼称)から、掲載ページいただきました。

小明 あれはもう、ほんとに空気読んでくれよって思いましたね。ご清聴ありがとうございました。はい。

たま ちょっと、終わらせないでください(笑)。やはりアイドルライターは小明さんしかいないと思っているので。

小明 私はもう非処女の経産婦なんで……。

たま うっ、大丈夫です、処女ですよ……。

小明 子ども産んでんだぞ?

たま うーん……。

潜行~地下アイドルの人に言えない生活

潜行~地下アイドルの人に言えない生活

もっとエグイここだけの話、詰まってます

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