「姫乃たまの耳の痛い話」第27回

ライブツアーの赤字分を事務所と折半! アイドルが事務所に所属するメリットはあるのか

――地下アイドルの“深海”で隙間産業を営む姫乃たまが、ちょっと“耳の痛〜い”業界事情をレポートします。

150531_himeno.jpeg久しぶりに、自分の体験談を。

 ただでさえ、何をしている人かわかりづらいのに、みなさんをさらに混乱させるようですが……先日、キャットファイトをしてきました。

 5対5で戦ったのですが、いやあ、大変でした。自宅でぼんやり原稿を書き、時々ふらっとイベントに出演するだけの生活になって2カ月。自分が協調性を欠いた人間であることを、すっかり忘れていたのです。

 遠足では列からぼんやりはぐれ、部活も40日ほどで辞めました。目立って素行の悪い子どもではありませんでしたが、だからこそ注意しづらいというか、いま思えば扱いづらい生徒だったかもしれません。ふと、幼稚園の集合写真を見たら、なぜかみんなと違う服を着た私が澄ました顔で写っていて、絶句しました。この、悪びれない協調性のなさ……持って生まれた性格って、治らないものですね。

 そのまま大きくなって、地下アイドルになっても、事務所に所属して、同期の子と仕事に精を出したり、社風に沿って活動することは叶いませんでした。しかし、同時に怠惰な人間でもあるので、「マーケティングや営業をやってもらえるなら」と、所属していてもおかしくなかったのですが……。

 いまだに誰からももらってもらえない、無所属のわが身を振り返ってみると、そもそもどこの事務所も欲しがっていなかったことを思い出しました。あるいは、私のような地下アイドルに声をかけてくる地下事務所(もどき)には、マーケティングや営業をする機能はありませんでした。

 なぜ、お叱りを恐れずにここまではっきり書けるのかというと、声をかけてくれた事務師はいまや、どこも解散して散り散りになっているからです。つまり、あの時に大人しく所属していても、いまは変わらずフリーランスだったのです。

 それにしても、と思います。ほかにも原因があったような気がして、記憶のモヤを外すと、大久保にあるライブハウスの楽屋で、さめざめと泣いている高校生の自分を思い出しました。

 私は1度だけ、業務提携(することによって、何をしてもらえたのかは不明)に誘われていた事務所と、ツアーをしたことがありました。ツアーと言っても、短期間に都内のライブハウスを回るだけの小規模なものでしたが、向こうの事務所の女の子たちと仲が良かったこともあり、引き受けました。

 事務的なことは大人に任せようと思い、ブッキング以外はその事務所の社長に請け負ってもらった記憶があります。つつがなく進んだツアーでしたが、終盤の公演で初めて、赤字がでました。事務所側の集客が2人だけだったのですが、赤字は折半することになりました。そういった取り決めも、最初に任せてしまっていたからです。

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