「姫乃たまの耳の痛い話」第27回

ライブツアーの赤字分を事務所と折半! アイドルが事務所に所属するメリットはあるのか

 私の負担金額は2万円ほどでしたが、当時、時給850円でアルバイトをしていた私にとっては、いい金額でした。しかし、その社長から「うちの事務所はアーティストにお金の心配をさせない方針だから、集客人数や、赤字がでたこと、金額なども伝えないでほしい」と言われました。

 無邪気に撤収作業をしている彼女たちに罪はなく、やりどころのない気持ちを抱えながら、コンビニでおろした2万円を持って、誰もいない楽屋に戻り、さめざめと泣いたのです。

 そこで自分も事務所に入ればよかったものを、あの時に任せてしまった業務は、本当に自分にはできないものだったのかを反省し、なんでもかんでも自分でこなすようになってしまって、いまに至ります。赤字を出したのは、後にも先にもその時だけなので、女子高生だった私には勉強代だと思って許してほしい……。

 いまになると可愛らしいエピソードにも思えますが、ほかにも、まったく存じ上げない事務所の社長が、「俺のことを指さして、あれが社長だと言ってきた。無礼だ」と、社員を使って怒りに来たりと、「事務所って怖い!」と思う出来事が、運悪く多かったようです。

 また、女の子たちから、事務所の不平不満を耳にするのも理由かもしれません。先日も、制作費を回収するまで新しいCDを作ってもらえないという子に、失礼ながら制作費を聞いたところ、「そういえば、まったく知らない」と返ってきました。ほかにも「宣材写真を撮るだけで4万円払った」という子の話をよくよく聞いてみると、その宣材を特にどこにも送っていないようだったり、驚きの連続です。

 一番驚いたのは、とにかく怒っている彼女たちに事務所を辞めることを提案すると、「でも不満を言ってるほうが楽」と、返ってくることです。なるほどなあ。そういう考えもあります。

 不正や不満は、地下から地上へ上がればなくなるわけではなく、相手が大手の事務所やレコード会社に代わるだけで、何も変わらないようです。とは言え、今日も無所属の私は、いつまでもこのまま……。うう、協調性、どこかに落ちていないでしょうか。

★姫乃たまの「耳の痛い話」では、読者の皆さん(地下アイドルの皆様、運営スタッフの方々、アイドルファンの方々)からのお悩みを募集します! 姫乃たまがインタビューをさせていただき、当連載にてご紹介させてください。

●姫乃たま
1993年2月12日、下北沢生まれ、エロ本育ち。地下アイドル/ライター。アイドルファンよりも、生きるのが苦手な人へ向けて活動している、地下アイドル界の隙間産業。16才よりフリーランスで開始した地下アイドルを経て、ライター業を開始。アイドルとアダルトを中心に、幅広い分野を手掛ける。以降、地下アイドルとしてのライブ活動を中心に、文章を書きながら、モデル、DJ、司会などを30点くらいでこなす。ゆるく、ながく、推されることを望んでいる。

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