今まで隠蔽されていた不気味過ぎるソニック・ザ・ヘッジホッグが登場するミニゲーム集が公開!?

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「Arcane Kids」内『Sonic Dreams Collection』より。

　90年代の群雄割拠のコンシューマ・ゲーム界にあって一時は任天堂のマリオと人気を2分していたのが、セガのソニック・ザ・ヘッジホッグだ。実は海外でもソニック・ザ・ヘッジホッグの全盛期の輝きを知っているファンは多く、人気復活を期待する声も少なくないようだが、この度なにやらちょっと奇妙なソニック・ザ・ヘッジホッグの“リスペクト作品”が登場したようだ。

■ドリキャスの開発キットからミニゲーム集を発掘!?

　インディーズゲームデベロッパー「Arcane Kids」が先頃ネット上で公開したソニック・ザ・ヘッジホッグのミニゲーム集『Sonic Dreams Collection』はかなり奇妙なゲームだ。

　Arcane Kidsによれば、同社は2013年に今は無きセガのゲーム機「ドリームキャスト」用のゲーム開発キットをeBayのオークションで落札して入手したという。もちろん、今さら“ドリキャス”版のゲームを作っても発表のしようがないわけではあるが……(苦笑)。

　ともかく開発キットを入手した同社だが、そのファイルの中にセガの極秘開発スタジオである「MJスタジオ」が将来のビデオゲーム再興のために残しておいたメッセージがあることを発見したのだ。そのメッセージこそが、このソニック・ザ・ヘッジホッグのミニゲーム集『Sonic Dreams Collection』であるという。そしてMJスタジオが全世界のソニック・ザ・ヘッジホッグのファンに残したこの貴重な遺産を、同社がファンを代表して公開することにしたのだ。……という同社の説明は、もちろん話半分以下(信用度50％以下)で聞いてもらって構わないだろう(笑)。

　無料でPCにダウンロードできる『Sonic Dreams Collection』をさっそく入手して起動させみると、オープニングにはお馴染みのソニック・ザ・ヘッジホッグが登場するのだが、良く見ると「オヤ？」っとなんだか違和感を感じるビジュアルになっている。

　収められている4つのミニゲームのうち、まずは『Make My Sonic』を開始してみると、これはソニック・ザ・ヘッジホッグを好みの姿に変更できるデザインソフトであることがわかる。各ボディパーツの大きさや色などを変えられるのだが、ちょっと頭を上向きにしようと引っ張ってみると、頭がポロッと取れてしまったりも……。一筋縄ではいかない“無理ゲー”なのかもしれない？

　続く『Eggman Origin』、『Sonic Movie Maker』といずれもなかなかの無理ゲーぶりで、なぜか暗い部屋のソファにソニック・ザ・ヘッジホッグが佇んでいる『My Roommate Sonic』はなんだかアヤしい雰囲気だ。プレイヤーは一人称の視点で部屋を見回し、ソファに座ってテレビを眺めているソニック・ザ・ヘッジホッグの横に腰掛け、腕を伸ばしてソニック・ザ・ヘッジホッグに触ろうとするとピシャリと手を叩かれてしまい、手がビローンと長く伸びて変形してしまう(笑)。これはもう無理ゲーというより“あほゲー”かも……。

■インディーズならではの自由闊達な“あほゲー”

　ソニック・ザ・ヘッジホッグのファンであるほどに不可解で異様なこのミニゲーム集『Sonic Dreams Collection』だが、つまるところは無料で公開されたソニック・ザ・ヘッジホッグをパロディにしたあほらしいゲーム、いわゆる“あほゲー”ということだろうか(苦笑)。

　米・ロサンゼルスに拠点を構える「Arcane Kids」はこれまでにも、史上最悪のプレイステーションゲームとの呼び声高い『Bubsy 3D』や、突然ヘビの大群に襲われるピラミッド探索ゲーム『Room of 1000 Snakes』などをリリースしている、正真正銘の“あほゲー”メーカーのようである。しかしその評価は高く、『Room of 1000 Snakes』などはいくつかのゲーム賞のインディーズ部門でノミネートされたほどだ。

　同社サイトの経営理念を見れば、「真実に最も早く近づく方法はジョークを言うことだ」や「我々をパンクと呼ばないでくれ」、「形式主義などク●くらえ」など、その姿勢は潔い(苦笑)。日本でも24時間で“あほなゲーム”を作るゲームジャム「あほげー」などが有志によって行なわれているが、たまにはこのようなインディーズならではの自由闊達なゲームに触れてみてもよいのではないだろうか。
（文＝仲田しんじ）

【参考】
・The Daily Dot
http://www.dailydot.com/geek/sonic-dreams-collection/