人間が不安や孤独を感じるのはなぜ? ももクロが永遠の命題に体当たりで挑む! 『幕が上がる』特典ディスクレビュー

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 さおり、ユッコ、ガルルの3人が田んぼのあぜ道を自転車で走り抜けるシーン、吉岡先生が即興で「肖像画」を演じてみせるシーン……。名場面が目白押しの『幕が上がる』だが、青春映画らしさが詰まっているのは、さおりと中西さんが2人きりでプラットホームに佇むシーンだろう。茨城で開催されている高校演劇コンクールの全国大会にボランティアスタッフとして参加した2人は、優秀校の舞台の熱気に触れた帰り道でお互いの本音を打ち明ける。演劇の強豪校で活躍していた中西さんだけど、プレッシャーから声が出なくなってしまった。演劇が好きすぎて、演劇が怖くなってしまったのだ。さおりたち演劇部員と距離を置いていた中西さんは、すっかり日が沈んだプラットホームで「人間はひとりぼっちだよ。宇宙でたったひとりだよ」とさおりに訴える。目を潤ませる中西さんに対し、さおりは温かくこう答える。「でも、ここにいるのは2人だよ」。プラットホームに静かに夜行列車が入ってきた。それはまるで銀河鉄道のようだった。この日の体験をもとに、さおりは宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」を舞台用にアレンジする。そして、さおりはこの舞台を完成させるために役者として舞台に立つのは諦め、演出に専念することを決意する。

 青春映画として文句の付けようのないほど、ももクロ5人の演技に賭ける情熱がほとばしる『幕が上がる』だが、唯一の不満は部長であるさおりの脚本&演出家としての力量がどれほどのものなのかが不明な点だった。さおりが自分たちの抱える悩みや不安を宮沢賢治の世界に託した舞台「銀河鉄道の夜」は大きな見せ場なのだが、本編中ではわずか3分たらずしかない。そこで『幕が上がる』豪華版ブルーレイを取り寄せてみた。特典ディスクに収録されている47分間あるフルバージョンの「銀河鉄道の夜」を観ることで、さおりは自分たちが抱える悩みや疑問にどんな答えを用意したのかを知ることができた。

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