バイオレンス&コミカル!? 原作テイスト再現に期待したい『テラフォーマーズ』【第一話レビュー】

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――食欲の秋！　スポーツの秋！　そしてアニメの秋!!　秋の夜長をさらになが～く熱くする新番組からお気に入りを見つけ出そう！　9～10月より放映開始された2014秋の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ　闇夜の千本ノック」！　※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

【9月26日（金）編】

■『テラフォーマーズ』　
第1話「SYMPTOM 変異」

『テラフォーマーズ』公式サイトより。

　集英社刊「週刊ヤングジャンプ」掲載の作：貴家悠、画：橘賢一によるSFマンガを、浜崎博嗣監督とアニメ制作・ライデンフィルムズによってテレビアニメ化。

　火星の環境を変え、生物の生存できる環境に作り変えるテラフォーミング計画。しかしそれによって生み出されたのは、知性を持ち人間大にまで成長し超進化を遂げた凶暴なゴキブリ「テラフォーマー」であった。火星を奪還すべく人類とテラフォーマーの全面戦争が始まった！

　…というストーリー設定で知られる本作。しかしアニメ本編が始まると、地下闘技場でクマと血みどろの闘いを続ける主人公・膝丸燈のバトル画描写が延々と続きます。あれれ？　これは新番組じゃなくって、『グラップラー刃牙』かな？　それとも『TEXHNOLYZE』かな？　と不安な気持ちがよぎりますが、心配ご無用。

　実はテレビアニメ版『テラフォーマーズ』は、原作のうちでも人類を蝕む難病「A・Eウイルス」に対抗するワクチン製造のために人体改造手術を受け、強化改造された選抜メンバーの活躍を描く“アネックス1号編”から開始されているのです。原作序盤、火星でのテラフォーマー発生や、駆除のため火星に乗り込んだチームのサバイバルバトル編（『テラフォーマーズ』単行本1巻に相当）についてはコミックス単行本同梱の上下巻のOVA“バグズ2号編”として発売されています。一つの原作を章立てごとに別々のメディアで同時展開する本作の試みは、新しいメディアミックス戦略として注目すべき手法といえるでしょう。

　さて、といったわけで火星へ行くミッションの目的と火星探索チームに選抜されたメンバーのキャラ紹介、国連航空宇宙局U-NASAの設立とその背景などをあますところなく描いたプロローグ編としての第1話でした。物語が本格的に動き出すのは2話以降ということになりますが、戦闘時の凄惨なバイオレンス描写・残酷描写の合間に顔を出すコミカルさが特徴の本作。深夜アニメという規制の中で、どこまでこのテイストが再現できるか？　期待と不安を交え、見守っていきたいところです。

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（文／出口ナオト）