突き抜けたキャラ描写に賛否両論!? ホラー風味も際立った『M3~ソノ黒キ鋼~』第18話

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『M3~ソノ黒キ鋼~
第18話「読島ノ真実」

1408_m3_18.jpgM3~ソノ黒キ鋼~公式サイトより。

【今週の極私的見どころ!】
 読島の謎と夏入(CV:飛田展男)の意外な関係が明らかになった第18話。マッドサイエンティストはやっぱり救いのない男でした。第16話で霞ライカ(CV:矢作紗友里)が夏入の命を助けましたが、思わず「なんであの時助けたの?」と思ってしまったほどの体たらく。ネットでも「過去にちょっとは同情できる何かがあるのかと思っていたけど、同情の余地ゼロだった」「夏入は今期アニメの中で最クズ」と叩かれまくっています。ただし、視聴者の多くはその徹底した“クズぶり”に、いっそ清々しいと高評価。筆者は気分が悪くなりましたけどね……。

【今週のおすすめ度】
★★★★☆
(前回のあらすじはこちら

「九ノ樹は読島にたくさん生えていた。それがあれば、もしかしたらリムになった人間たちも助けられるかもしれない」そんな真木ミナシ(CV:柿原徹也)の一言で、読島に向かうことになった鷺沼アカシ(CV:松岡禎丞)たちガルグイユ一行。須崎(CV:井上麻里奈)の指揮の下、夏入や軍本部に気取られないよう秘密裏に行動を開始しました。まず目指すは、無明領域に飲み込まれた厚木基地に放置された軍用機・オスプレイ。しかし、リンカー(人と同調する力を持った人間のこと)ではない須崎は精神を蝕まれ、死んだ恋人の幻影を見て苦しみます。あまり本編に関係のなさそうなタイミングで須崎の過去がチラ見せされましたが、須崎の過去もこの先ストーリーに関係してくるのでしょうか?

 ともあれ、なんとかオスプレイに乗り込んだメンバーは、ミナシのナビで読島にたどり着きます。「読島、普通に行けるのかよww」と視聴者のツッコミが上がるものの、その疑問に答えたのはミナシ。もともと無明石様(躯の核になっている石。読島の守り神)の力によって島は隠されていたものの、無明石を持ち出した島は外から見えるようになったのだといいます。また、無明石の守りがなくなったことが原因なのか、島の九ノ樹はすべて枯れてしまっていました。昔の記憶を頼りにミナシが皆を連れて行ったのは、島の中心に建てられた旧・イクスの本部。ここに連れ去られた村人は誰も帰ってこなかったと話すミナシは、地下室で過去の記憶を視てしまいます。

 その過去に映っていたのは、若かりし頃の夏入でした。リンカーを創り出す研究をしていた夏入は、生まれながらのリンカーが生存する読島で人体実験をしていたのです。ミナシの悲壮な雰囲気に誰もが口を閉ざした時、須崎たちの行動に気づき怒り狂った夏入が読島に現われました。その傍らには「リムの先祖」だという旧式のマヴェス。ミナシはその機体を見て涙を流すと、「お姉ちゃん」と小さく呟くのです。

 若い頃から奇妙な研究者だった夏入はリンカーの研究を政府に発表するも、誰にも理解されず、唯一興味を持ってくれたのがミナシの姉・真木ミメイ(CV:佐藤利奈)でした。ミメイはもっとリンカーの研究がしたいと言う夏入を島に連れて行き、秘境を出て生活する方法を探してほしいと“島の未来”を託すのです。しかし、そこで行われたのは想像もしなかった非人道的な人体実験でした。島民の多くは実験の苦痛に耐えられず自殺し、ミメイは夏入の側を離れようとします。それに逆上した夏入はミメイに薬を打ち、強制的にマヴェスのリムにしてしまうのです。

 過去のすべてを知ったメンバーに「君たちには屍鋼化してもらう」と言い放つ夏入に対して、ネットでは「お前が死んでよし」「夏入ってここまでゲスだったの?」「ここまで外道だと感動すら覚える」と厳しいお言葉が。その直後、姉の想いを踏みにじった夏入に憎しみ抱くミナシの想いに呼応するように、島全体から「許さない」と死んだ島民の声がこだまします。ここの声の集まり方が妙に気合いを入れて演出されていて、ホラーが苦手な筆者は鳥肌が立ちました……。

 島中から聞こえる怨念はみるみるうちに無明石となって集まってくると、旧イクス本部を覆い隠していきます。それを見上げた夏入は心底あきれたような声で言い放ちます。

夏入「勝手に死んでおいて化けて出るのか。ほんっとにバカだな」



 というところで18話は終了。ミメイがいつも首から下げていた鍵を肌身離さず持ち歩いている夏入は、夏入なりにミメイを愛していたのでしょうか。「リムとしてでもアオシに生きていてほしかった」と言った阿倉カサネ(CV:前田愛)。「リムであってもササメを守りたい」と言ったアカシ。狂った研究者の歪んだ感情の中に、いい知れない悲哀を感じた第18話でした。
(文/牧野絵美)

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今考えると、生き残るヒロインというチョイス?

突き抜けたキャラ描写に賛否両論!? ホラー風味も際立った『M3~ソノ黒キ鋼~』第18話のページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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