空想した少女のヌードを写実的に描いたCGが「児童ポルノ」にあたるか否かをめぐり、争われているCG児童ポルノ裁判。第一回公判から半年あまりを迎えた6月9日の第四回公判で、ようやく弁護人による冒頭陳述が行われた。
この裁判が長期化の様相を呈した原因は、まず検察官の立証不足だ。主任弁護人の山口貴士弁護士は言う。
「検察官は、原因であるCGが児童ポルノに該当するかどうか、まったく立証していません。元にしたとされる写真の被写体の年齢がどうだったかということばかりです。裁判官は、CGが児童ポルノだと立証をしなくては、という態度です」
そもそも、被告人であるTさんは「児童ポルノ」だとされたCGを描くにあたり、輪郭をトレースして参考に使ったに過ぎない。そのほかにもさまざまな写真や人体解剖図も参考にして、CGは出来上がっている。ゆえに、検察側の主張は、常に崩壊しかかっているといってよい。
公判も半年を迎え、Tさんは次のように語った。
「当初から述べているように、私は児童ポルノを制作したつもりはありません。この裁判を通じて、創作する方々への支障が減ってくれればと考えています」
また、同時に自身も創作を再開していきたい思いを語った。
なお、裁判の進行は、まだまだ足踏みの状況である。検察側が弁護側への証拠の開示を拒否したことに対して、裁判所は7月14日に非公開で整理手続きを実施。その後、ようやく進行されることになる予定だ。
今回公判の中心であった冒頭陳述については、弁護団より冒頭陳述書の全文を提供されたので、ここに公開する。
【冒頭陳述書全文はこちら】※被告人部分黒塗りは編集部によるもの。PCからのみ閲覧が可能です。
(取材・文/昼間 たかし)
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