乱立するロボアニメの中、シリアス展開に期待！『M3 ～ソノ黒キ鋼～』深夜アニメ第1話全レビュー!!【21日(月)編】

• ツイート
• 

【2014年 春の新作アニメ特集はこちら】

　4月より放映開始された深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ　闇夜の千本ノック」！　※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

■『M3 ～ソノ黒キ鋼～』
第1話「降星ノ夜」

『M3 ～ソノ黒キ鋼～』公式HPより。

　原作・佐藤順一、脚本・岡田麿里によるオリジナル企画を、佐藤順一監督、アニメ制作・サテライト、C2Cによりアニメ化。

　近未来の東京。突如出現した漆黒の異空間・無明領域。そこに飲み込まれた人々は絶望から異形の怪物「イマシメ」に変わり、現世の人間へ仇なす存在に変わる。高校生・鷺沼アカシを始めとする8人の少年少女は、人の精神を蝕む無明領域の調査とイマシメ掃討を目的に編成された特別クラスに選抜され、戦闘マシン・ヴェスを操るパイロットの訓練を受けることに。初めての実戦訓練が行われた夜、アカシと破先エミルの前にイマシメが出現し……！

　今期の深夜枠では6作目のロボットアニメになる本作。ほとんど情報が出ず謎の作品でしたが、「月刊コミックブレイド」（マッグガーデン）で佐藤順一監督が原案を担当した貞松龍壱さんのマンガ『Mortal METAL 屍鋼』をセルフリメイクした形になる模様（『M3』自体は新連載として「コミックブレイド」6月号より始まるようです）。

　オンエアを見て、ここまで全面に「死」の匂いを漂わせた作風のロボット物は珍しいかもと感じました。第1話を見ても内容がさっぱりわからん、という作品が多い中、本作は集中して見ていれば人物紹介、設定の謎、今後の伏線などがきちんと提示された形で詰め込まれており、さすが佐藤監督と岡田麿里さんと言った印象。作画的には少々危なっかしいところもありましたがわりと好感触。イマシメ対ヴェスの戦闘は設定上仕方ないのですが、夜間シーンのため暗くてよくわからないのが残念でしたが……。

　主人公らは子供時代に無明領域から生還したらしい？描写や回想シーンに現れた謎の人型ロボット、「聞くと9日後に死ぬ」と噂される“躯の歌”をアカシが聞いてしまうなど、気になる伏線も多し。また学園生活にコミカル描写が多い分、今後仲間内から戦死者やイマシメ化する者が出てくるようになると、精神的に滅入るキツイ展開になっていきそうな予感も。

　ですが“少年少女が命を賭して戦いに身を投じる”というリアルロボットものの原点をしっかり継承しているあたり、乱立する今期ロボットものの中では一番シリアスに展開しそうな気配があります。ロボット好き・メカ好きは見逃すと後悔するかも知れませんね。

【こんな作品のファンにもオススメ】
『ベターマン』『アルジェントソーマ』『ぼくらの』

（文／出口ナオト）

【2014年 春の新作アニメ特集はこちら】